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最終更新日: 2025-05-04 15:24:43
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2025年04月30日 11:48
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韓国教育財団・碧夆奨学基金と私 第7回
ジョンズ・ホプキンス大学公衆衛生大学院公衆衛生修士 左勝則さん

 韓国教育財団碧夆奨学生として、ジョンズ・ホプキンス大学公衆衛生大学院で公衆衛生修士を取得。帰国後は不妊治療、体外受精など、生殖医療に携わっている。
現在、自治医科大学産科婦人科学講座・生殖医学センター准教授としてだけでなく、日本生殖医学会の渉外担当幹事も務める。日本中の体外受精データを統括し、定期的な報告会の準備、海外の学会や関連団体とのやりとりなどの中心となっている。
例えば、がん患者が治療後に出産したいと希望した場合、卵子、受精卵、精子を凍結保存する「妊孕性温存療法」を行う。とくに初潮前の小児がん患者が、がん治療後の成人になって出産する方法である「卵巣組織凍結」については、近隣県で取り組んでいる医療機関はほとんどなく、最先端の医療技術導入に向けて準備が進んでいる。
千葉大学大学院生時代は、地域社会で疾病を防いで健康的な社会を実現させる公衆衛生学を専攻していた。より研究を深めたいと思い、世界でも先進的な取り組みをしている米国のジョンズ・ホプキンス大学公衆衛生大学院への留学を志した。
しかし米国は物価が高く、授業料だけでなく生活費も加わると高額の負担になる。病院勤務などをいくつも掛け持ちして留学資金を貯めたが、それでも十分ではなかった。
そんなときに碧夆奨学基金のことを知り応募したところ採用された。「うれしかった。資金がぎりぎりだったので単身で留学するつもりだったが、家族と一緒に渡航することができた」。すでに幼い子供がいたが、そのとき妻は第2子を妊娠中だった。
大学院所在地の東海岸の港町・ボルチモアでは、在米韓国人や日本人との家族ぐるみの交流を持った。子育てで助け合ったり、ホームパーティーで互いの自宅を訪問するといった楽しい思い出ができた。
大学院では病気予防・治療方法など、世界でも最先端の公衆衛生の知識を得た。不妊治療など生殖医療は社会の影響を大きく受けるため、公衆衛生学的視点に立った研究が欠かせない。「留学していなかったら、今の自分はなかった」とまで言い切るほどの貴重な学びとなった。
帰国後は、留学で身に付けた世界最先端の知見を自治医科大学生殖医学センターで惜しげもなく他の学生・医師に伝えている。「日本の生殖医療は急速に進歩し、次世代も順調に育っている」と、生殖医療研究者としての自覚と責任を語る。
留学から帰国して10年以上が経ち、生殖医療における米国との格差はずいぶん縮まったと感じている。「今後も次世代人材の育成に注力し、日本の生殖医療発展に貢献していく」と決意を新たにする。不妊治療の専門家としての立場で韓日交流を推し進めるだけでなく、アジア地域の体外受精データをまとめるという大役を担い、国境を超えた生殖医療発展にも寄与する。
韓国教育財団に対しては、「給付が決まったときのうれしさや、ありがたみは忘れられない。今まで以上に一生懸命働き、恩に報いる」と感謝の意を表している。また、「留学のための資金が不足している在日同胞にとって、日本の奨学基金は国籍による制限があり、応募できないことが多い。同胞学生にとってありがたい存在」と同財団の意義について語る。
当初は産婦人科医として公衆衛生の専門性を高めようとジョンズ・ホプキンス大大学院に留学したが、帰国後に生殖医療に関心を持ち、今では日本の第一人者にまでなっている。
そんな自身を振り返り、現在世界各国で学んでいる奨学生に対して「人生は当初思い描いていた通りにならないこともあるが、そのときにどう生かすかが大事だ。想定外のことであっても信念を持って取り組むことで、新たな道が開ける。当初の理想と違っていても諦めずに邁進してほしい」とエールを送っている。

 左勝則(チャア・スンチ) 1981年生まれ。東京都出身。在日韓国人3世。千葉大学大学院博士課程修了。韓国教育財団碧夆奨学生として2013年ジョンズ・ホプキンス大学公衆衛生大学院公衆衛生修士取得。医療法人勤務などを経て、17年埼玉医科大学産科婦人科学准教授を経て、23年自治医科大学産科婦人科准教授。

2025-04-30 2面
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