トランプ大統領とプーチン大統領の電話会談(12日)及びサウジでの首脳会談予定発表に対する世界の反応は、米国とEUの関係がリセットされ、ロシアは外交的クーデターに成功したと要約される。
トランプはウクライナのNATO加入不可を宣言、ここ10年間、ロシアに編入していた領土をキーウ側が取り戻す可能性も低いと述べた。トランプ大統領がモスクワのレッドラインを踏まないと宣言したものだ。
英国のデイリー・テレグラフは、今はプーチンとトランプの世界であり、米国はウクライナと欧州の安全保障に関心がないと報じた。ブルームバーグも、米国の核心同盟諸国は交渉について何の通知も受けられず、会談が本格的に始まる前にトランプがプーチンの核心要求に屈服、欧州を裏切って売り飛ばしたと批判した。
CNNは、米・欧州関係が以前に戻れないことを示唆する分水嶺だったと評価した。ワシントンポストは、トランプが、ロシアが占領したウクライナ領土の一部か全部に対する統制権維持に同意する可能性が高いと報じた。
ドミトリー・メドヴェージェフ前大統領は、両国大統領が対話を交わしたこと自体が非常に重要だと評価、ワシントンがモスクワとの対話の価値を認識すべきだと述べた。ユーラシア主義者のアレクサンドル・ドゥギンは今、世界秩序再編の過程が始まったばかりで、協商は何度も行われ、対話はトランプとプーチンの一対一で進められるはずと強調した。議論すべき主題が多く、多極化という世界の新しい構造だと述べた。
ドゥギンはトランプがウクライナ戦終息に対するプーチンの考えについては、明らかに備えていなかっただろうと述べた。ロシアにとっては生死の問題であるため、簡単な解決策がなく、大きな期待を持ってはならないと言った。ロシアは完全でかつ最終的な勝利を収めた後で平和を成すはずで、勝利のためにはハリコフ、オデッサ、ニコラーエフ、ドネプロペトロウシク、ザポロージェ、ヘルソンなど少なくとも6都市を占領せねばならない。もはや集団西方は存在しないと言い放った。
ドゥギンは、トランプの執権で偉大な米国が誕生した一方、グローバリスト的な欧州が存在するとし、彼らはトランプとプーチンが同意した多極モデルに適応せねばならないと述べた。また、中国とインドの存在は大きく、欧州はもはや一つの主体として存続できないかも知れず、それは自ら招いたものだと言った。
一方、J・D・ヴァンス米副大統領もミュンヘン安保会議(14日)で歴史的な演説をした。ヴァンス副大統領は、欧州連合に対する真の脅威はロシアや中国ではなく、欧州内部にあるとし、大量違法移住、伝統価値の拒否、民主主義原則の崩壊などを挙げた。 |