徐々に拡大してきたウクライナ戦争が、国家の存亡を分ける段階に至った。ゼレンスキーが西欧(NATO)の全面的な人的・物的支援を受け8月6日、ロシアのクルスク地域を侵攻、KURSK原発占領を試みた。原発への攻撃はテロであり、この攻撃は米国が企画・関与した。NATOが核テロを試みたわけだ。西欧はゼレンスキー側の民間人攻撃、虐殺を幇助してきた。ロシアはアングロサクソンのこの憎悪と攻撃に自制心を発揮してきた。
ゼレンスキーのクルスク侵攻は自滅策となった。ドンバス戦線が総崩れしている。キーウ側は7月と8月の2カ月だけで12万人以上の兵力を失った。NATOがいくらF16などを提供しても兵力が尽きた。キーウ側の敗北は確実。テュルキエはBRICS加入を正式申請した。
「規則基盤秩序」を世界に強要してきた米国は途方もない混沌に陥った。2カ月後に迫った大統領選挙が、米国の建国精神に忠誠を誓う国民と、ワシントンの権力を掌握したグローバル全体主義・ディープス勢力の間の最終的決戦となっている。
共和・民主の両党政治も崩壊した。ロバート・フランシス・ケネディ・ジュニア(RFK)、タルシー・ガバードなど民主党出身の政治家たちがトランプ支持を宣言した。RFKはカマラを大統領候補に決定したのは戴冠式に過ぎないと指摘、民主党に民主がないと攻撃した。彼は民主党を「戦争の党」「検閲の党」「腐敗の党」「巨大製薬会社の党」「ビッグテックの党」「金持ちの党」と痛烈に攻撃、支持者たちを熱狂させた。
彼はバイデンが2022年4月、ボリス・ジョンソン英首相をキーウに送り、ロシアとすでに平和協定に署名したゼレンスキーに戦争を続けるよう強要したと暴露した。米主流メディアらは、RFKの発言が有権者に伝えられるのを阻止するため生放送を中断した。米国の主流メディアとビッグテックの検閲と洗脳は、中国のインターネット警察と変わらない。
米民主党やその支持勢力は真実が明らかになるのを恐れている。西欧の支配エリートが検閲と宣伝と洗脳に没頭するのは、非核総力戦を戦えないからだ。彼らは既得権・支配権を維持するためには検閲と洗脳、そして核兵器に頼るしかない。
ウクライナ戦争の即時停戦を公約したトランプは「軍産複合体」の解体も掲げている。トランプ陣営の公約と決然たる態勢は、米国の軍産複合体をパニック状態に追い込んだ。第2次世界大戦後「軍産複合体」の利益を代弁してきた勢力、ブッシュ元大統領など共和党内のネオコンなどがついに民主党候補支持を宣言(8月26日)した。
トランプ陣営と民主党は一つの国の中で共存できる状況ではない。すでに内戦状態の米国で、大統領選挙が公正に行われるのか、敗北した方が結果を受け入れるか全く確信できない。トランプが当選しても順調な政権交代を確信できないのが現実だ。さらに、戦争を通じ長期間の富と権力を享受してきた軍産複合体の影響力を除去するのは至難の「革命」だ。確かなのは、米国の政権が交代すれば、ウクライナ戦争の風向きが変わり、核戦争勃発の危機も回避、管理できる環境が期待できる。つまり米国による「規則基盤秩序」の内容と方向が変化する。
先月17日、韓米日3国はキャンプデービッド共同声明1周年を迎え、昨年3国の首脳らが樹立した原則と協議に対する公約(主に米国の世界戦略のため)を守っていくと確認した。だが、韓国も日本も、米国は選挙で政権が変われば前政権の政策を見直し廃棄してきたことをよく分かっている。ましてや米国の今の内戦は、国際秩序や文明史の進行方向をめぐるものだ。われわれが米大統領選挙を注視する理由だ。いずれにせよ、自国の運命を他国のため犠牲にするわけにはいかない。 |