尹錫悦大統領が24~29日の日程で国賓として訪米する。韓国大統領の国賓訪米は、2011年の李明博大統領(当時)以来だ。迎える側の米国としてはバイデン政権発足以降、2人目(昨年12月のマクロン仏大統領以来)となる▼今回の訪米は、韓国の未来を決める上で非常に重要な意義を持つ。米中対立の激化、ウクライナ戦争、欧米とグローバルサウスの対立など、刻々と変わりゆく世界の中で、韓国がどういう立ち位置を示すかが明確になるといえる▼今年は韓米同盟締結から70年。中国や北韓情勢を考えると、安全保障面での対米関係強化は必須だ。しかし一方で、韓国内ではバイデン大統領に対する不信感も高まっている。米国が韓国大統領室を盗聴していたことが暴露されたのだ▼今回の訪米には、韓国から主要企業家122人が経済使節団として同行する。半導体をはじめ、航空宇宙、防衛産業、エネルギー、バイオ、モビリティなど、経済面での同盟強化が期待されている▼しかし経済面でも、韓米の間には隙間風が吹く。尹政権発足後すぐに訪韓したバイデン大統領は、「韓米半導体同盟」の強化を約束したが、「半導体法」「インフレ抑制法」など相次ぐ自国ファースト政策で、韓国は冷や水を浴びせられた。バイデン大統領のリップサービスに踊らされることのないよう注意すべきだろう▼安保、経済などすべての面で韓米関係は重要だ。だが、それも韓国の国益を守るという大前提があってこそ。両国が互いに恩恵を得る関係を構築すべきだろう。 |