各国で海外への渡航制限が、徐々に緩和・解除されている。日本政府は韓国から日本への入国者(ワクチン3回接種者)に対する3日間の隔離措置を撤廃。日本から韓国への入国も、ワクチン接種3回で隔離措置がなくなる。観光客への完全な門戸開放には至っていないが、ビジネス交流には支障がなくなったといっていい▼在日韓国人にとっては、親族の訪問も今まで同様にできるはずだ。近いとはいえ、海を隔てた両国である。つい最近のことだが、親族の結婚式や葬儀などへの参加を泣く泣くあきらめた人もいると聞く。このまま規制緩和が進むことを願いたい▼一方、今更ながらコロナ禍を公に認めたのが北韓だ。感染者の発表を行い、その後も感染拡大の深刻さが伝わってくる中、相変わらず続けているのがミサイル発射実験だ。核実験を行う兆候もあるという▼韓国政府や軍は、ミサイル発射を糾弾し、早期に中止するよう求めている。国家安保室は「コロナが発生した状況にも関わらず、住民の命と安全を無視し、弾道ミサイル挑発を繰り返す北朝鮮の行動を糾弾する」とも述べた▼90年代後半、北韓では大量の餓死者を出した「苦難の行軍」の悲劇があった。金正恩は昨年、「苦難の行軍」を覚悟せよと述べたというが、四半世紀前「ミサイルに使う予算を食料に回していれば…」と言われたのを忘れたのだろうか。ミサイルを飛ばすなら、ワクチン接種や貿易強化に使った方がはるかに有益であることを、この”指導者”は知らないらしい。 |