われわれが慣れてきた国際社会の同盟秩序が先週、揺らいだ。米国、英国、豪州は16日(米国時間15日)、3国の安保同盟(AUKUS)を宣言した。3国の安保同盟は、国防技術を共有すると言った。まず、米国は原子力推進潜水艦8隻を豪州に提供することにした。また、米国が保有している最強の戦略兵器も豪州に提供するという。米国と英国が豪州の海軍力を飛躍的に増強させるのは、中共と対決のための措置だ。
米国は、豪州への原子力推進潜水艦提供は、例外的な一回のみの措置、つまり後に他の国には、適用されないことはないと強調した。豪州は、フランスから購入することにした従来の潜水艦12隻の購入契約を破棄した。
フランスは猛反発、3国安保同盟を激しく非難し、駐米フランス大使と駐豪州フランス大使を召還した。フランスは17日、ソウルでフランスが、韓国が関心を持っている原子力推進潜水艦と原子力空母の技術などを韓国に提供し得ると表明した。
米・英・豪州が、フランスやフランスと近い欧州諸国の反発を予想しながらも、新しい安保同盟を決断したのは、非西欧圏では体感し難い彼らの間の根深い価値観の摩擦と相互不信がある。AUKUSは価値基準や観点が非常に似ている反面、フランスは歴史的、文化的に観点と行動が、英語を共有するAUKUSと異なる。
実は、英国とフランス間の緊張は、5年前に英国がEUから脱退を決めたとき、もはや隠せない決定的なものとなった。もちろん、現代文明が特異点を過ぎている今、NATO・EUも一枚岩ではない。東西冷戦終了後、EUに入った東欧諸国と、フランスとドイツを中心とした西欧諸国の間にも価値観をめぐる戦争がすでに始まっている。
今のところ、中共の挑戦に対する応戦において、NATO諸国が一致した対応をしているように見られるが、米・英・豪州が体感する、侵略的全体主義の中共と、どの国にも武器を売ってきたフランスの姿勢には温度差がある。
要するに、今回AUKUSの発足を契機に、同盟関係が調整に入ったと言える。豪州の外務・国防長官が13日、訪韓、韓国と2+2会談を行った。ところで、文在寅政権はこの同盟の再編の動きが分かっていない。米国と韓米原子力同盟まで締結した韓国は確実に米国側に立つべきだ。韓国は中共の顔色を見るか、「実用的な観点」でフランスの誘惑に負けてはならない。 |