今月6日(ニューヨーク時間)、南北が各国連加盟国に配布した板門店宣言の英文翻訳版が変更された。板門店宣言は「今年、終戦宣言に向けて南北米三者、または南北米中の四者会談を積極的に推進する」という内容だったが、突然「今年終戦宣言をすることで合意した」と変更して提出された。
(ソウル=李民晧)
| 6月発行された政府発刊英文版。”年内終戦宣言を「推進」する”と翻訳している | 争点は表現の変化だ。4月27日の南北頂上会談終了後、青瓦台が配布した板門店宣言英文版は韓国語の原本と同様、今年終戦宣言に向けて三者もしくは四者会談を「積極推進することで合意した(agreed to actively pursue)」となっている。
今年6月、青瓦台が発行した南北頂上会談結果集(The Journey Toward Peace―Results of the 2018 Inter―Korean Summits)28ページに記載された板門店宣言英文版原文にも、そのように明記されている。
北韓が発表した翻訳版とは異なる。北韓の朝鮮中央通信は、英文版で「北南は今年、終戦宣言をすることで合意した(The north and the south agreed to declare the end of war this year)」と報じた。
今回、国連に対して政府と北韓が共同で提出した板門店宣言の英文翻訳版3条3項は「(南北)両側は今年、終戦宣言をすることで合意した(agreed to declare the end of war this year)」となっている。北韓の既存の英文版とほとんど一致しているのだ。
外交部は12日、板門店宣言英文版の推進時点に対し「文書の回覧は、南北頂上会談(4月27日)に対する国連レベルの後続措置として、南北両側間合意のもとに推進された。(南北)両側は、国連総会及び安保理の公式文書として回覧してもらうよう国連事務局に要請した」と明らかにした。
同日夕方、外交部は「以前掲載された板門店宣言英文翻訳版は非公式の翻訳版」との見解を示した。
しかし、オン・オフライン発行資料集として青瓦台が対外的に発行した記録を、3カ月も経過した時点で「非公式」としたのには疑念が残る。
特に、「推進」から「合意」へと変更された点だ。二つの言葉の意味が異なることは、誰が見ても明白なはずだ。
また別の問題としては、「政府が米国、日本などに伝えた板門店宣言文と、国連に提出した内容が相違している」(ワシントン消息筋)という点がある。 |