朝総連は8月30日、国際統一局名義で、民団中央団長の8・15慶祝辞を非難する声明を発表した。
「民団中央が、北南両首脳が合意した4・27板門店宣言にしたがって共に歩むことを期待する」という発表の全文は、朝鮮新報のインターネット版のみに掲載された。民団中央団長の慶祝辞」への反論が2週間もかかったのは、平壌の指示を受けるのに時間がかかったからだろう。
朝総連の言い掛かりに反論する前に、民団中央の呂健二団長の慶祝辞から該当部分を紹介する。
「(戦略)また去る6月12日、世界が注目する中、米朝首脳会談がシンガポールで開催されました。長い間、敵対関係にあった北韓と米国の首脳が会談を持ったのは史上初めてであります。首脳会談の結果、両首脳は共同合意文書に署名し、北韓は『完全な非核化のため努力する』ことを約束しました。
私たちは、今後、北韓が完全で検証可能かつ不可逆な非核化が早期に実現し、米国との対話と関係改善を進め、6・25戦争の『終戦』を宣言することを願っています。(中略)
私はこの場を借りて朝総連の皆さんに訴えたいと思います。北韓の核とミサイル問題、日本人拉致問題で朝総連がこれまで取ってきた姿勢について、朝総連自らが在日同胞社会や日本社会の理解を得られるよう行動するよう訴えます。
また、『地上の楽園』と宣伝し北送された同胞9万3000人の生死確認と自由往来を朝総連は責任をもって北韓に求めるよう訴えます。脱北者に対しても同じ同胞の立場から人道的な支援をすべきであります。(後略)」
では、平壌側が朝総連を通じて発表した内容の要旨を紹介する。
「(前略)民団中央団長は『慶祝辞』で、4・27宣言を支持・歓迎するとしながらも、その理由は『北が非核化し、民主化する大きな好機であり転換点である』からだという奇怪至極な論理を展開した。
文在寅大統領も合意し署名した(中略)、板門店宣言で明らかにされ、シンガポールの朝米共同声明で確認された非核化とは、一方的な『北の非核化』ではなく、核のない朝鮮半島を実現するという共同の目標を確認し、そのために朝鮮半島で核の脅威が発生した根源である朝米間の敵対関係を解消し平和体制を樹立していくというものである。
団長が6・12朝米共同声明と関連して求めた『完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID)』について言うならば、そのような言葉自体が共同声明にはなく、トランプ大統領自身が今後、この言葉は二度と使わないと言明したものである。
民団中央の団長は、このような事実関係を知りながら、朝鮮半島の和解と平和を望まない日本の極右保守勢力しかしない無茶なごり押しを敢えてしているのか、それとも知らずにそうしているのか、訊いてみたい。
特に看過できないのは、朝鮮総聯に対する旧態依然の誹謗中傷である。団長は総聯に『訴える』としながら、北の核とミサイル、日本人拉致、ひいては帰国事業と『脱北者』問題まで引き合いに出し、総聯の『責任』を云々し、総聯に対する敵意を露わにした。
団長は、総聯に言いがかりをつけるのではなく、今日の新しい時代の流れにそって在日同胞社会の和解と団結に向けてわれわれと一緒に歩むべきではないだろうか。(後略)」
あまりにも情けなく図々しい主張だ。要するに、シンガポール合意の否定、非核化の拒否だ。ところで、「人民共和国」は皆健忘症か。南北の間では、金日成と金正日が生きていたとき合意した南北基本合意書と韓半島非核化共同宣言がある。韓半島の非核化共同宣言は、南北が批准し発効(1992年2月19日)させた。
お前らは同じ民族を云々する資格がない。お前らは韓民族ではなく金日成王朝の奴隷だ。何度も言うが、在日同胞の圧倒的多数は、金日成王朝の奴隷になるのを拒否した。それは現在、日本国内の朝鮮籍が3万人にも満たないことが証明する。
日本の植民地35年間の2倍の70年間、韓半島で3人の首領のため殺された人々は、植民地の下で殺された数の15倍から20倍に達すると専門家は見ている。何よりも、北韓住民は首領に搾取されて植民地時代よりも体が矮小化した。
そして今回の「国際統一局」名義の文書(8月30日付)は、卑劣な謀略扇動をしている。民団中央の呂健二団長が8・15祝辞辞で述べてもいない事案を、恰も民団団長が慶祝辞で言ったかのように混ぜておいて反論する形をとっている。共産党の典型的な謀略扇動術だ。(つづく) |