水爆実験を行った北韓に対し、国連安保理は11日(現地時間)、石油の輸出制限を盛り込んだ制裁案を可決した。原案を提出した米国は当初、石油の全面的な禁輸を求めていた。しかし拒否権を持つ中露が難色を示し、石油の取引量に上限を設ける形で妥協した。
米国は金正恩を渡航禁止や資産凍結とすることも求めていたが、こちらも見送られることとなった。北韓船舶に対する臨検の実施は、公海上でも旗国の許可なくできるようにする案が検討されたが、旗国の同意を得なければならなくなった。
一方、外貨獲得には今以上の制限がかけられることになった。北韓の主要輸出品目である繊維製品は全面禁輸に。国外で働く労働者についても、原則として新規の受け入れは禁止となる。
米国は今回の制裁案を、「過去最強」の内容にするとしていた。しかし、またも中国とロシアの反対にあい、譲歩を余儀なくされた。国連制裁では、北に強い圧力を加えることは期待できないと、改めて示された形だ。北韓の核ミサイル開発を止めるための手段は、徐々に選択肢を狭めている。米国だけでなく、韓国や日本も、正念場を迎えることになった。
北韓は決議採択前に声明を発表し「必ず米国に相応の代償を払わせる」と報復を宣言していた。米国だけでなく、韓日をターゲットにしたサイバー攻撃などが考えられるという。 |