平壌側が大陸弾道弾に装着する水爆実験の成功を宣言した。金氏王朝が数百万人の人民を犠牲にした核兵器体系が、完成段階を迎えた。平壌側が米国を攻撃できるICBMを完成させることは、米国が同盟国である韓国と日本に対し、核の傘を提供できなくなることを意味する。 大韓民国国民は、金正恩の核ミサイルの人質になった。韓半島には、濃い戦争の影が伸びている。 北側の核兵器体系完成は、ある意味では来るべきことが来たものだ。大韓民国は北核を助けてきた反逆者、従北左翼政権と、その追従勢力を清算せず、危機に目をつぶり、安保努力を怠ってきた。北韓を解放せよという憲法の命令を裏切った卑怯な国民に、請求書が回ってきたのだ。国際社会も北韓と中国の狡猾かつ執拗な核戦略に対し有効な対策を講じず、20年以上を浪費した。 文在寅政権は、この途方もない事態の責任をとる姿勢を見せず、平和ばかりを強調。降伏のような姿勢すら見せている。現政権は「人為的な統一を追求しない」としながら、平和を乞うている。 「革命政権」を自任する文政権は、金正恩体制に対する同盟国の軍事的行動に反対を表明し、韓米同盟から離脱しようとしている。国際社会の対北圧迫にも抵抗している。一方、国内世論を操作し、ポピュリズムで大衆を買収する政策を推進し、批判的な言論を弾圧している。 歴史的に、占領や革命などの暴力の後に現れる独裁体制は、大衆に衝撃を与えて服従させる統治戦略を駆使する。少数が多数を制圧した後の不安と恐怖心理の発露だ。文政権も革命と積弊清算を宣言し、国民に無条件服従を強要している。6・25戦争休戦後最大の安保危機の中、文政権は全体主義的独裁統治を追求している。法を革命の道具として考える革命的裁判官を要職に登用し、司法を通じて支配体制を固めようともしている。 文政権の閉鎖的民族主義は、歴史を捏造する段階に進んでいる。文大統領は、国憲遵守の義務を裏切っている。文政権は大韓民国建国史を否定し、「1919年建国説」まで言い出した。大韓民国は1948年5月に制憲議員選挙で憲法を制定し、その憲法によって建国された。これを否定するのは大韓民国の正統性を否定する反逆だ。 またロウソク政変を既成事実化し、政権の正当性を維持しようと必死だ。国の公権力や全公務員に、ロウソク革命の道具になるよう要求しており、反国家活動の前歴者を重用している。憲法機関の平統諮問会議の諮問委員に、反国家団体前歴者を委嘱したのは、その最たる例だ。 文政権は目前の安保危機よりも、過去との戦いに没頭している。積弊清算のターゲットは自由市場経済の破壊だ。 文政権は、日米との関係を悪化させている。北側がICBM(火星‐14号)を発射するや、大統領はTHAAD発射台4基の追加展開を指示した。だがこの指示は、環境評価を理由に履行されなかった。国防部は、一時配置をするという。内外の世論の叱責は避けられまい。 文政権は今、誰が友邦で誰が敵なのかすら区別できず、口先だけで金正恩のため時間稼ぎをしているように映る。半面、韓米同盟の破壊を求める中国には低姿勢だ。 大韓民国の奇跡の歴史を作ってきたわれわれ国民は、この難局を乗り越えられるはずだ。だが、自由民主体制を守るため、戦争まで覚悟せねばならない瞬間に、政府が主敵に平和を乞い、最高司令官が敵に投降するなら、国民の覚醒と覚悟は無駄になる。今は非常な国家的覚悟が必要だ。国家と憲法を守る意志と能力のない大統領は、国軍の最高司令官の職から直ちに降りるべきだ。文大統領は国を守り抜き、北韓を解放する責務を全うできるリーダーでない。 |