マレーシアでの金正男暗殺を受け、北韓の外交関係が揺らいでいる。今まで後ろ盾になってきた中国商務省は2月18日、翌19日から今年いっぱい、北韓からの石炭輸入を停止すると発表した。北韓からの石炭輸入制限などを定めた国連安保理制裁を履行することなどが趣旨だという。
しかしこれは、金正男を保護下に置いてきた中国による実質的な対北制裁だ。これまでも同様の禁輸報道はあったが、今回は北韓の反応が違う。
朝鮮中央通信は中国の石炭輸入停止措置に対して、「米国のリズムに合わせて踊っている」と批判。「ある隣国」と中国を名指しすることこそ避けたが、「非人道的な措置」だと指摘した。
一方で中国は、米国に対して「中国軍隊は(韓半島の)安保環境の要求によって、必要なすべての処置を取る」と述べている。米国に圧力をかける意図なのか、中国の王毅外相は米朝に核問題の早期解決も求めている。米朝が問題に対処しなければ、有事に中国軍が介入する可能性があると示唆したのだ。
東南アジアにおける北韓の一大活動拠点となっているマレーシア。事件現場となった同国は、北韓大使館職員の国外退去や、断交も視野に入れているという。 |