米国務省が、北韓のレジームチェンジ(体制転換)に向けた圧力を強化した。北韓への情報流入と北韓からの情報流出、そして北韓内の情報拡散を図るため、2年前の10倍以上となる予算を投入する計画だ。国務省だけでなく、ホワイトハウスや韓国政府および韓米軍当局の動きからも緊迫感が伝わってくる。 国務省の民主主義・人権・労働局(DRL)は20日、政府や関連機関に予算の増額などを盛り込んだ趣意書などを提出した。DRLが要求した予算は260万ドルあまり。2年前の10倍以上となった。今年2月に米国で発効した「対北制裁強化法」に基づく後続措置といえる。 米国が北韓のレジームチェンジを本気で進めることは、中国との衝突を意味する。中国の抵抗を抑えるためには、3月に採択された安保理制裁のさらなる強化と独自の金融制裁の拡大が求められる。 米国の対北情報戦の拡大は、多くが水面下で進められている。最近公に行われたものといえば、23日にワシントンで開かれたイベントだ。脱北者を招き、国連総会に出席する各国の高官らに対して、北韓においていかに情報へのアクセスが制限されているかなどを訴えた。韓国の呉俊・国連大使は、北韓内部に情報を届けることができれば、内部崩壊の可能性もあるとの見方を示した。 一方、米国としては韓国内独自の核武装という主張に対応するのも重要だ。そのため米国は、米軍のもっとも重要な戦略兵器を動員して、対北武力示威を続けている。もし金正恩が反発して韓国を攻撃すれば、一気に全面衝突に発展する。今の韓半島は、戦争の可能性が非常に高まっている。 韓国軍は北の核ミサイル実戦配備という最悪の状況に対応するため腐心している。国防部は有事の際に北韓指導部を除去する特殊任務部隊の編制と同時に、北韓の戦略目標を一挙に破壊するためのミサイル戦力の大幅増強を推進。朴槿惠大統領に報告して裁可を得たと報じられている。国防費をどれだけ増やせるかが重要だ。 韓国は金泳三大統領時代に、手痛い失敗を犯している。1994年の北核危機で、韓国は米国による寧辺の核施設への爆撃計画に反対。そして米国は、韓国を排除してジュネーブで北韓と直談判した。 米国は韓国に対して「拡張核抑止力・核の傘」を確約しているが、多くの韓国人は核の傘が必ず機能するかに対して懐疑的だ。孤立主義へ回帰する同盟国に裏切られることを恐れているのだ。 韓国の多くの専門家は、韓国の意志を示し、中国に立ち向かって韓米同盟を維持するためにも、核武装を主張している。 |