国連安保理制裁によって減少していた中朝貿易が、増加に転じていたことが、韓国貿易協会(KITA)の調べでわかった。3月の制裁決議採択後、4月と5月は前年割れだったが、6月は前年比で増加を記録した。
KITAによると、6月の中朝貿易額は前月から約2割増となる4億9000万ドル。前年と比べても8・3%の伸びだった。そのうち中国からの輸入が2億8000万ドル、対中輸出が2億1000万ドルだった。
北韓の対中輸出品目のトップは無煙炭で、3位は鉄鋼製品だった。いずれも国連制裁で「民生用」に限って取引が認められている品目だ。2位は衣類だった。輸入では汽車・自動車関連製品が最多だった。
韓国政府内では現在、北韓が最大で昨年の2倍のペースで軍事演習を行っていることに疑問が挙がっている。軍事用航空機向けの燃料は禁輸対象になっているが、韓国側では金正恩の虚勢なのか密輸ルートがあるかを測りかねているという。KITAの調べでは、制裁発動後に中国から北韓に輸出された航空機燃料は、金額ベースで汽車・自動車関連製品1カ月分の輸入額をやや下回る程度だ。 |