韓国軍の合同参謀本部は20日、北韓が新たな軍事挑発を行う恐れがあるとして、陸海空軍の作戦指揮官らによる緊急テレビ会議を開いた。今年に入ってから核・ミサイル実験を行い、3月からは国連安保理決議によって国際社会の制裁を受けることになった北韓。しかし安保理決議に対抗するかのように、例年以上の短・中距離ミサイル実験を行っている。
合同参謀本部の李淳鎮議長は、特に最前線で任務にあたる部隊の指揮官に対して、「挑発勢力を根こそぎ除去するという覚悟で断固として制裁すべきだ」と指示。「(指揮官は)国民に勝利の結果だけを報告するように」と述べ、引き続き警戒に当たるよう求めた。
北韓は過去に、軍事境界線や西海上で韓国軍や地域住民に対して攻撃を加えてきた。2010年には天安艦爆沈事件や延坪島砲撃事件が起き、人命が奪われた。いずれも奇襲攻撃だった。北韓は短・中距離ミサイルの発射も繰り返している。
20日の会議では、8月に実施される韓米合同軍事演習「乙支フリーダムガーディアン」を口実に、北韓が軍事挑発を仕掛けてくるとの可能性が提起された。韓米合同軍事演習は、北韓が最も神経をとがらせる訓練だ。
武力攻撃を伴う挑発だけが警戒の対象ではない。北韓は現在、地下核実験の準備を整えているとされ、合同参謀本部は韓米にとって大きな脅威となる潜水艦発射弾道ミサイルの発射実験も行われる可能性が高いと見ている。 |