国連安保理の制裁で原則として輸出が禁じられた北韓の石炭が、中国のインターネットサイトで販売されているという。米政府系ラジオ「ボイス・オブ・アメリカ」(VOA)が伝えた。一方で石炭の輸出は減っているとの報道もある。消息筋は制裁案の抜け穴を指摘する。
VOAによると、北韓の石炭が売られているのは、中国最大のネットショッピングサイト「アリババ」だ。売り主は3、4社あり、そのすべてが中国企業となっている。最も多くの商品を売っているのは、中朝貿易の拠点になっている丹東にある会社で、北韓産の無煙炭や豆粒炭、黒鉛を販売しているという。
無煙炭は1トンあたりで取引されており、価格は220ドル(1日の時点)。北韓産の石炭は、2015年の時点で前年・前々年から大きく値を下げていたが、この価格は値下がり前の水準だ。それでも世界の平均から見ると、半額から3分の1程度と安価だ。
国連安保理によって禁輸品目になっているはずの北韓の石炭がなぜ堂々と売られているのか。韓国の消息筋によると、安保理制裁が輸出の例外条件として定めた「人道目的」であることを装ったいる可能性があるという。
韓国当局によると、制裁後の北韓の対中石炭輸出は、前年比で4割減っている。東京新聞によると、北韓の電力事情は改善しており、その背景には中国向けの石炭を自国の火力発電に回しているとの見方もある。制裁には一定の効果がありつつ、完全に道は断たれていないようだ。 |