趙甲済
地球上で韓国に最も感謝しなければならない国はどこだろう? 韓国が米国に感謝せねばならないように。正解は台湾だ。自由中国と呼ばれた国だ。1992年盧泰愚政府が中国と修交するまで韓国は台湾を中国全体を代表する唯一の合法政府として待遇した。台湾政府を建てた荘介石は1949年毛沢東に敗退するまで中国本土を治めながら韓国の独立運動を支援した。
毛沢東は1949年10月中国本土の征服を終え台湾に逃げた蒋介石軍を殲滅する計画をたてた。1950年初めには約15万の上陸兵力と約4000隻の船舶を中国側の対岸に集結させた。ソ連の独裁者・スターリンは武器支援を約束した。まさにその時トルーマン大統領は米国が台湾へのすべての軍事的支援を断切ると発表した。事実上台湾を放棄したのだ。中国の台湾占領は時間の問題と見えた。この発表があった1950年1月5日、毛沢東はモスクワでスターリンと中蘇同盟の交渉をしていた。米国がこの時を捉えて台湾放棄を宣言したのは中蘇同盟を結ばないと米国が門戸を開けておいて待っているという毛沢東に送った暗示だった。スターリンは毛沢東がユーゴスラビアのチトーのように独自路線を歩くのではと心配していた。もし共産中国が米国、英国など西側諸国と修交して独自路線を歩けば、スターリンやソ連の国際共産主義勢力への指導力は弱くなり、米国は中・ソを分裂させるだろうと判断したのだ。スターリンは毛沢東の中国をソ連の影響力の中に留めておくためにニンジンとムチを使っている時だった。まさにこの時、金日成はスターリンに南侵戦争の許可を得ようとだだをこね始めた。
戦争と政治の本質をよく理解している老練で冷静なスターリンは、金日成と毛沢東を操りながら米国を打つ機会がきたと考える。ソ連は1949年の夏、核実験に成功して米国の核兵器独占時代を終わらせる。ほぼ同じ時期に中国が共産化された。核武装したソ連と人口の最も多い中国が手を結べば米国など自由世界に対抗する力ができる。どうすれば中国が中立陣営か米国側へ付くのをを阻止しソ連の下に留めておくのかだった。これは世界の枠組みを決める問題だった。
この時、金日成がきて南侵を許可し軍事的支援と戦争指導までしてほしいとスターリンにすがったのだ。スターリンは金日成をエサにして韓半島を国際戦場にし中国と米国を戦わせれば中国は自然にソ連に依存することになるはずで、米国とは敵になると計算する。
問題は台湾だった。毛沢東は台湾攻撃の時期を1950年の夏に設定した。金日成の南侵予定時期と重なる。もし、毛沢東の中国軍が米国から捨てられた台湾を先に攻撃し占領してしまえば毛沢東は気楽な立場で台湾の占領を放任した米国に接近しようとする筈だ。そうなるとスターリンは中国と米国を韓半島で戦わせることができなくなる。中国の台湾攻撃が先か、北韓軍の南侵が先かによって世界史が変わる瞬間だった。
この瞬間スターリンは台湾侵攻と韓国攻撃時期を決定できる位置にあった。毛沢東と金日成はほぼ同時にスターリンに攻撃のた< |