趙甲済
主思派(金日成主義者)のような極左共産主義者は階級闘争説の立場で軍隊を見る。マルクスは性善説的な人間観に立脚して国家や軍隊を抑圧機構と看做す。人間の両面性を認める自由民主主義者たちは国家と軍隊を必要悪として見る。
共産主義者たちの思考は「階級」を単位とし、自由民主主義者たちは「国家」を単位とする。「赤」たちは、国家の軍隊、つまり国軍を国家の道具でなく支配階級の道具と認識する。彼らはすべての戦争の本質を階級戦争、すべての軍隊を「階級の利益を守護する軍隊」と規定する。
こういう共産主義者たちは「国軍」を「階級軍隊」に改造しようと努力する。つまり、国家や国民全体でなく、労働者、農民、貧民を代弁する軍隊に変質させる。自由民主主義者たちが国軍を国家の道具と見るのに対して共産主義者たちは国軍を「社会の鏡」と見る。
こうなれば職業軍隊としての専門性と自律性が侵害される。軍隊そのものに対して敵対感を持つ共産革命勢力は、政権を取るためには軍隊を分裂させ能力を弱化させることを憚らない。
民主党と進歩党の共同政策合意文には国軍の性格を変質させるための毒素条項が入っている。軍服務期間の短縮は減軍を意味する。良心的兵役拒否を認めることは、「私は社会主義を信奉するので資本主義軍隊で服務しない」という者までを包含してあげる意図と疑うようになる。国家安保政策全般に関して「市民の参与」を保障するということは従北勢力が国軍を統制できるように制度化するという意図を剥き出しにしたのだ。進歩党は韓米同盟および予備軍の解体を公約、事実上国軍の戦力を無力化させる陰謀を露骨化した。進歩党は一方的な減軍まで主張して、対北抑止力を弱化させる利敵行為を公言した。海外派兵まで禁止して国軍が国際社会から孤立するようにするという約束もした。
民主党と進歩党が推進を闡明した事実上の国軍無力化政策が施行されると、核武装した北韓軍の南侵や武力介入を招くだろう。民主党と進歩党は戦争中の国で絶対に超えてはならない禁止線まで超えようとする。戦争や流血事態をもたらすとんでもない公約に対して、メディアがまともに国民に知らせなかったことはもっと大きな不幸を予備しているわけだ。
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