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2012年03月27日 16:43
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李明博政府の「脱理念の現実逃避」が招いた災難
「理念は古いものだ」という戯言と自主国防意志の放棄は、韓半島の厳酷な現実から逃れて観念の世界へ逃避するようにさせた。
趙甲済
ジョージ・オーウェルは、知識人は言葉の遊戯が果てし無くできるが、そうしている内に戦争という現実の壁に当たって気付くようになると言った。国家指導層や学歴の高い人々が現実逃避的な観念の遊戯に陥れば戦争を招き兼ねないという警告だ。
李明博とハンナラ党政権の去る5年は現実逃避の連続だった。韓半島の現実は南と北の武装、理念対決だ。李大統領は「理念対決」の現実を認めようとしなかった。「理念の時代は終わった」、「理念は古いものだ」という戯言を乱発し、国民を精神的に武装解除させて、自分たちは経済さえうまくやればすべての問題が解決されるかのように行動した。
李大統領は「従北」という言葉を一度も使わなかった。韓国社会の最も大きな問題を覆って通ったのだ。これは現実逃避だ。自分さえ目を閉じればこの世のすべての悪がなくなると錯覚したのだ。国は不治病が進行中なのに、そういうものは無いとして武陵桃源へ逃避し、ひたすら経済と福祉ばかりを言って国民のウェルビーイング欲求感さえ充足させれば政権は安泰だと錯覚したのだ。
昨年あるジャーナリストが李明博大統領に、「政府はなぜ民労党解散措置を取らないのか」と尋ねた。大統領は、「民間人が提訴してはならないのか」と反問した。このジャーナリストは「政党の解散は民間人が請求できず、政府が憲法裁判所に提訴、判決を仰がねばならない」と教えてあげた。大統領は民主労働党の解散を一度も深刻に考えてみたことがなかったのだ。
去る5年間悪化した現実逃避病の症状は、安保と法治を軽視する風潮だ。韓国人の生存と幸福を保障するものは安保であり法治なのに、これを大した事でないと考える。中道実用主義がまさにそういう表現だった。なぜ指導層の安保と法治の軽視、こういう現実逃避が可能だったのか?
自主国防の精神を捨てたからだ。韓米同盟を通じて米国に依存ばかりしたためだ。大統領と軍の首脳部までこういう意識が強い。依存的でかつ事大主義的であり、ひどく表現すれば奴隷根性だ。人間であれ組織であれ自分の安全を自らが責任を負わず他人に任せれば精神的に堕落する。しかも、韓国のように自主国防ができる十分な経済力を持ちながら自主国防を忌避すると安保無料心理が国と国民全般の精神を壊す。卑劣な国になるのだ。しかも、保守勢力が自主国防を放棄すれば道徳性が崩れて左翼から軽蔑される。
保守層の間で、しかも軍出身の間でも自衛的核武装論、北の核施設爆撃論、天安艦爆沈指令者暗殺論が出なければこれ以上保守とも呼べない。同じ境遇のイスラエルがどのように行動するのかを見れば韓国がどれほど卑怯な国になったのかが分かる。これは全的に保守層の責任だ。
自主国防のできる国が自主国防を放棄することは最悪の現実逃避だ。ここに左翼らが加わる。「南・北韓間の競争はすでに終わった。北韓は南侵する力がない。赤がどこにあるのか」と言いながら、対北無条件支援、対北屈従を正当化する。彼らの目には北韓が持った核武器が玩具程度に見えるようだ。彼らはこう主張するはずだ。「見ろ。保守勢力も韓国が核武装すべきだという話をしない。だから南侵の危険はないの。」
韓国の安保に致命的な影響を及ぼす北側の核武装を、韓国の保守層までが他人事のように思う根底には、「米国が解決すべき問題」という認識が敷かれているためだ。セヌリ党は核問題の解決までも外国に任せておいて福祉扇動に加勢する様態を示している。総選挙の公約が「働き口、福祉、経済民主化」だ。完全に左派政党の公約だ。「北核廃棄、法治確立、低い税金-小さな政府-多くの働き口、生産的福祉」が保守党の公約でなければならない。
「自主国防放棄-現実逃避-従北蔓延許容」の結果が今回の総選挙で現れるはずだ。国民行動本部は盧武鉉政府の時と昨年に民労党解散請願書を法務長官に提出し解散運動を展開したが政府は動かなかった。如何なる法理でも北韓労働党の対南工作に追従する民主労働党が政党として活動するのを許す方法がない。法の執行権を持つ政権が憲法という刀を鞘から抜かなかったことで、反逆勢力が数百億ウォンの国家補助金を受けながら安保と法治を破壊する自由を享受するようになった。この民労党が民主党とハンナラ党を左に引っ張って行って、韓国の政治地形が憲法の規制を逸脱した。その終着点は経済恐慌や法秩序の混乱、最悪の場合は内戦的事態になるだろう。
ハンナラ党政権の脱理念の現実逃避が今年中に牽制されなければ流血事態を招くだろう。
www.chogabje.com 2012-03-27 12:06
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記事: 洪熒 (hyungh@hanmail.net)  
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