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2012年03月16日 00:18
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イランの核を除去しようとするイスラエルの努力と教訓
李春根
核を保有しようとするイランの努力が中東でもう一つの戦争を引起すかも知れない状況に進展している。今までイスラエルはイランの核施設を爆撃すべきだと主張してきたが、米国は自国のバンカーバスター爆弾は地下数十メートルのイラン核施設も撃破できるから直ちに攻撃しなくても良いとしイスラエルを自制させてきた。
イスラエルは、イランの核兵器プログラムを中断させるために、爆撃という最後手段を除いて彼らが使えるすべての手段を全部使った。ウイルス攻撃を通じてイラン核施設のコンピュータを破壊することからイラン核科学者の暗殺まで多様な方法を動員してみたが、イランの核武装努力を中止させることはできなかった。イランの核施設を破壊できる最後の手段だけが残っている状態だ。
ドイツの権威ある時事週刊誌シュピーゲル3月5日付は、「イスラエルがイランの核施設を爆撃するのかどうかの問題はすでに議論の対象でない。時間の問題であるだけ」と報道した。イスラエル政治家たちは最近米合同参謀議長マーティン・テムプシ将軍に、「もし、イスラエルがイランの核施設爆撃を決めたら、イスラエルは軍事作戦実行約12時間前にホワイトハウスにその事実を通告する」と話したと伝えられる。同盟国の間であり得ないこのような言及は、次の二つの意味を含蓄している。一つ、イスラエルはオバマ大統領が全く知らない状態でイランを攻撃しはしない。二つ、オバマ大統領はイスラエルの決定を霧散させるか妨害するための努力はしないで欲しい。
実際に、イスラエルの現総理のベンジャミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)はイスラエル政治家たちの中でも対アラブ強硬論者であり、オバマ大統領との関係が良好でない。特に、2009年6月、オバマ大統領がエジプトのカイロ大学で、米国大統領としては例外的に親アラブ的な演説を行った後、イスラエル人のわずか6%だけがオバマがイスラエルの味方だと考えているという世論調査結果が出た程オバマの米国とイスラエルの関係はぎすぎすとしている。
オバマ大統領も、もちろんイランが核爆弾を保有しないことを望む。しかし、オバマは中東の戦争も望まない。ベンジャミン・ネタニヤフはイランの核問題を解決するために今でも軍事力を使用する態勢だ。イスラエルはすでにナタンズ基地を爆撃する訓練をかなり以前から実施している。イスラエルはオバマ大統領を圧迫しており、米国がイランを攻撃することになるレッドライン(Red Line)を明らかに提示しろと促している。
イスラエルはすでに核兵器を保有しようと努力した二つの国の核施設を爆撃で除去したことがある。1981年6月7日、イスラエルは8機のF-16戦闘機とこれを護衛する6機のF-15戦闘機を動員してイラクの真ん中に位置したオシラク原子炉を爆撃、破壊することでフセインの核開発計画を20年以上遅延させた。2007年9月6日の深夜、イスラエル空軍のF-15戦闘機はまたシリア領空を深く侵入して北韓技術者が建設中のシリアの原子炉を完全に破壊してしまった。幸いにイラクとシリアは被害を被ってもむしろ内密にした。自分たちは核を作っていないと言ってきたから、隠す訳が分かる。イスラエルの先制武力攻撃が戦争に飛び火しなかったことはイスラエルのためにも世界のためにも非常に幸いなことだった。イスラエルがシリアの核施設を爆撃した当時、北韓の核技術者数人が死亡したという。
イスラエルがイランの核施設への攻撃を躊躇しているのはイランの核施設への攻撃がイラク、シリアの場合とは違って戦争へと飛び火する危険性が相当高いためだ。イラン大統領は、「イスラエルを地図の上で消すこと」が自身の目標である事実を何度も明確に言及した。核武装をしたイランと戦うことよりは核武装以前のイランと戦う方が良いではないかと判断したイスラエルは、イランの核兵器を爆撃を通じてでも除去するしかないと心を決めたようだ。
イスラエル人たちは、「イスラエルは、イランが核兵器を完成する瞬間でも、世界がイスラエルを放棄していないと考える限り、イランを攻撃しない。イスラエルは、イランを攻撃する前に、イランの核を除去してほしいと西側と穏健なアラブ世界にまず訴える」、「だが、しイスラエルのユダヤ国家は、米国が事前に承認してもしなくても、自らを保護できる権利を他人に譲渡はしない」という話を以前から言ってきた。
先週の日曜日(3月4日)、米国最大のイスラエルロビー団体である「米国・イスラエル公共政策委員会」(AIPAC)がワシントンで開かれた。今回の会議には伝統的な参席者であるイスラエル総理、米国大統領の他に、レオン・パネッター米国防長官、シモン・ペレズ イスラエル大統領も参加した。シモン・ペレズ大統領は演説で、イランへの軍事攻撃の可能性を再三強調し、オバマは「米国の国益とイスラエルの国益は同一だ」と答えた。オバマは、「私はイスラエルを支持する」という言及を数回繰り返した。イスラエルロビーが米国政治でどれほど強大なパワーを持っているかを示している。
オバマの肯定的回答はイスラエルのイラン核施設爆撃への青信号(Green Light)になるかも知れない。イスラエルのイラン核施設への攻撃は、核兵器保有を金正日の最大業績と称えている金正恩に甚大な衝撃を加えるだろう。イスラエルはかなり以前から中東国家の核武装努力の背後には北韓があるのを知っている。イランに対する西側のあらゆる制裁措置に一方的にNoと拒否してきた中国も衝撃を受けざるを得ない。
北韓の核の脅威に晒されている韓国の立場がイラン核の脅威に直面しているイスラエルの境遇より決して良いところがないのに、われわれは今あまりにも無対策の傍観状態ではないか? 自国の安保のために米国までも揺るがすイスラエルの戦略を学ばねばならない。われわれの今直ぐ北韓の「通米封南」戦略を正面から無力化させると同時に、北韓の核を除去するための本格的な措置を講じなければならない。北の核を言葉で廃棄させられる訳もなく、戦争も不可能なことなら、少なくとも北韓核を「抑制(deter)」、あるいは「無力化」させられる方案でも講じなければならない。
この文は韓国経済研究院ホームページの国際情勢解説欄(3月7日付)に掲載されました。
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記事: 洪熒 (hyungh@hanmail.net)  
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