趙甲済
一部の判事たちが行政府の政策(韓米FTA)を露骨に非難しながら集団行動をするのは、民主主義の大原則である三権分立を破壊する反民主的、反法治的行為だ。民主主義は国会、行政府、法院の独立を通じての相互牽制の上で成立つ。条約の締結権は行政府(大統領)が、同意権は国会が持つ。法院の役割や権限はない。たとえ、ごく少数でも偏向した考えを持った判事たちが行政府が持っている外交権や国会が持つ立法権に関与することは韓国の幼い民主主義への重大な挑戦だ。FTAを学問的研究の対象にすることはできても、多衆の力で反FTAを前提とした機構を作れと大法院長を圧迫することは反民主的暴挙だ。国軍将校団が立ち上がって左傾判事たちの偏向判決を阻止するためのTF(タスクフォース)を作ろうとするのと同様だ。
クーデターの定義は、行政府所属の軍隊が国会と裁判所を掌握すること、すなわち三権分立破壊行為だ。(*右写真は大法院)
今日(12月3日)の朝鮮日報への寄稿文で、高麗大学の張永洙教授は、一部の判事たちの最近の行動を批判した。彼は判事たちの政治的偏向性露出行為は、法院の判決の公正性に対する国民の信頼を害すると指摘し、こう整理した。
「最近民主化の波がわが社会を変える過程で、司法の民主化が進展したのは肯定的に評価できる。しかし、裁判の公正性を危うくすることまで民主化という名で正当化するのは妥当でない。」
判事は、検事が起訴した事件や利害当事者が提訴した事件に対してだけ法律と良心に基づいて裁く人だ。判事は捜査することはできない。判事の公正性はそういう受動性にある。判事が積極的に乗り出して集団行動をすると、しかも尖鋭な争点事案に対して公開的に一方の肩を持つなら、誰がそういう判事の裁判が公正だと信じるのか?
「骨髄まで親米の大統領と通商官僚たちが庶民と国を売り渡した2011年11月22日、私はこの日を忘れるまい」という扇動文を書く人が法服を着ている国は、法治国家と言えない。絶対多数の判事たちは、一部判事たちの司法府への自害行為を中断させる義務がある。反論されない偽りと扇動は真実になる。
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