趙甲済
2008年4月の総選挙で反左派の流れに乗って当選した首都圏のハンナラ党初選議員たちをよく「少壮派」と呼ぶ。来年4月の総選挙に彼らが出馬したら大挙落選するという展望が支配的だ。彼らの没落は「保守の寵児」から「保守への裏切り者」に転落したためだ。
彼らは自分たちを当選させた保守層の「従北清算」という輿望を拒否した。金正日勢力と戦わなかったのだ。彼らは民主党や民主労働党と戦うにはびりだったが、自分たちを支援してくれた大統領や李相得議員などを貶し、正統保守勢力を遠ざけながら「従北勢力」に秋波を送ることでは1等だった。
外で戦う勇気が無いから内部で争う内に国民には忘れられた存在で、保守層からは捨てられた存在になった。悪党と戦えと選んだら味方の悪口の才能屋に変質した者は来年総選挙で公認や選挙過程を通じて淘汰されるはずだ。
戦いの相手を間違えて政治を台無しにした「にせ物保守」の元祖は金泳三(左写真)だ。彼も圧倒的な票差で金大中候補に勝って大統領になってからは歴代政権を扱き下ろし、 「全教組」の解職教師たちを復職させ、歴史の中に埋めておくと約束した「12.12事件」と「光州事態」を再捜査するなど、反保守・親左派路線を歩んでは政権を金大中(右写真)に引き渡した。「左派の宿主」の役割を充実になしたのだ。李明博大統領はそこまでではないが、残った任期中右回転しなければ概して金泳三に似た格好になるだろう。
「少壮派」、李明博、金泳三の共通点は理念の貴重さと恐ろしさが分かっていないという点だ。理念とは「共同体の利害関係への自覚」だ。誰が敵であり誰が同志なのか、どうするのが共同体(国家、ハンナラ党など)に役立ち、害になるかを判るようにするのが理念だ。理念はまた「自己正当性への確信」である。自らの言動が正しいという確信を植え付けてくれる根拠が理念だ。韓国保守政治の支柱は憲法精神であり自由民主主義だ。憲法に記された大韓民国の正統性とアイデンティティへの確信が理念である。憲法は大韓民国のみが韓半島の唯一合法国家と規定する。これが正統性だ。憲法は自由民主主義と市場経済を韓国の政治理念として宣言した。これがアイデンティティだ。こういう理念体系を自らの信念として体化させた政治家たちは強くなり大きくなる。そういう人々の発言は、歴史性を帯び論理的で一貫性がある。こういう理念に無知な人々のは話には力が無く行動には一貫性がなく軽く見られる。
ハンナラ党の「少壮派」は理念を軽く見て自滅と消滅の道に入った。まだ改過遷善(悔い改める)する機会はある。
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