金成昱
対北支援に熱中する自称進歩勢力・宗教団体などを見ていると国はこうして滅び得るという気がする。
この高尚な人道主義者たちは、北韓で餓死する人々が「本当に」心配だと言いながら、いざ餓死者が大量に生じている北韓の収容所施設に対しては触れない。政治犯収容所(*右写真)、労働教化所、労働鍛練隊、集結所、拘留場など確認されただけでも480に達するこれら収容所施設には凶悪犯よりも飢えで食糧を盗んだ人、脱北者、迷信行為者(地下キリスト教徒)など罪のない罪人が連れて行かれる。金日成の肖像画に落書きをしたという理由で全家族が入れられる所が政治犯収容所だ。こういう問題は捨てておいて叫ぶ「人道的支援」は、だから偽善であるしかない。
この高尚な人道主義者たちは「民族愛」を口癖のように言いながらも、中国で犬や豚のように売れている数十万の北韓女性に対しても沈黙する。北へ強制送還はもちろん、その後彼女たちを待っている恥辱的拷問、子宮検査、嬰児殺害、強制堕胎など地獄のような人権蹂躪も無視する。北韓住民をあたかも動物園の猿のように見做し、バナナを投げてあげろとトーンを高くする。
彼らは自分たちが北韓の「脆弱階層」に食糧を支援すると言う。5月19日に北韓に食糧を送った団体も北韓の幼稚園、孤児院(左写真)、養老院など脆弱階層を助けていると主張する。だが、この食糧はいざ最も苛酷に死んでいく収容所や流離乞食するコッチェビらには絶対に届かない。
北韓は社会主義の配給制が基本だ。いわゆる「脆弱階層」と言われる幼稚園や孤児院、養老院も金正日が配給するのが正常だ。韓国の愚かな奴らは金正日が配給せねばならない「脆弱階層」を助け、その結果、金正日は自分が欲しがる武器の開発と輸入、金日成偶像化や神格化に思う存分ドルを費やす。
金正日は毎年4月15日、いわゆる「太陽節」の金日成生日祭りに3千300万ドルを費やし、1ヶ月間「親善の春」行事(右写真)の宴を張り、数百人の外国芸能人、芸術家、体育人を呼んで祭りをやる。2003年は40ヶ国から700人が参加し、今年もその程度の規模だった。彼らの航空料・滞留費用・観光費用一切はもちろん北韓側が負担する。金日成大学教授だった趙明哲博士は新聞コラム(3月11日)でこう書いた。
「北韓は昨年の一年間、後継者の金正恩の業績作りのイベントにだけ4億6000万ドル以上を使い果たした。金正恩主導で行なわれた7回の花火に3100万ドル、金 氏一家の別荘のリフォームにだけ3億ドル、金正日偶像化用のモザイク壁画製作に70万ドル、金正恩に軍事指導者のイメージを作るために27発のミサイル発射に8300万ドル、金正恩を砲兵の天才にするための大規模の砲射撃訓練(左写真)などに3900万ドル。北韓は電力不足で凍死者が発生しているが、全国の金日成銅像はまぶしい照明を照らされている。」
1990年代の中後半もそうだったが、今も状況は全く同じだ。住民たちは飢えて死ぬのでなく飢えさせて殺される。北韓の邪悪な体制を変えるための努力を放棄した支援は、結局邪悪な体制を延長させ、2400万住民の苦痛だけを延長させる。
韓国人が善と悪に対する分別力を失ったまま金正日という「絶対悪」との結託を続けば結局災殃が避けられない。
金正日は今も核兵器のアップグレードに狂奔している。韓国の牧師、僧侶、神父たちが北韓の党幹部用の幼稚園を訪れて写真を撮る間、金正日は核武器の小型化(miniaturization)を成功させる。核武器の小型化後、北韓の挑発はもっと高強度に進み、韓国は北韓の人質に転落してしまうだろう。金に胸ぐらをつかまれた南宋の格好になるのだ。善と悪に対する分別力を失った韓国人の利己心と無関心の結果である。私がこの地を目覚めさせ彼らと戦う理由がここにある。時間がそれほど残っていない。
www.chogabje.com 2011-05-21 03:25 |