東日本大震災から約1カ月たった。震源地に最も近かった宮城県では、津波に流された瓦礫の撤去や、日常生活が徐々に戻ってきている。その中には、復興を目指す在日韓国人の姿もある。
(宮城=本紙取材班)
| 自宅で今後のことを語る朴今子さん |
石巻市に住む朴今子さん(58)は、11年前に結婚した日本人の夫との2人暮らし。10歳年上の夫は長年船員をしていたため、「家のことは全部私がやらないといけない」と話す。
韓国に住む家族と連絡が取れたのは地震から1週間以上たってから。「帰ってこい」といわれたが、そのつもりはない。
「私がいなくなったら夫はどうすればいいのですか? それに、もし夫が死んだとしても帰りません。日本は夫の国であり私の国。どっちが早く死ぬかわからないけれど、夫と同じ墓に入りたい」
そう話した朴さんは、目頭を押さえた。
夫の両親から譲り受けた家も守らないといけない。家は津波で床上50センチほど浸水。畳は捨てた。ライフラインはほぼ復旧したが、ガスは5月末頃まで通らない。 |