「対北風船ビラ」 日本実行委員会共同代表 西岡 力
金正日の誕生日である16日、東京で「金正日の悪行を糾弾し北朝鮮人民に真実を伝える2・16日韓連帯集会」(文京区民センター)が開催される。メイン講師として、韓国から国民行動本部の徐貞甲本部長と気鋭のジャーナリスト金成昱記者が参加する。在日韓国民団中央本部からも来賓が挨拶し、統一日報が後援している。
集会を主催するのは日本国内の北朝鮮関係NGOが集まって作った「対北風船ビラ」日本実行委員会(共同代表・西岡力救う会会長、三浦小太郎守る会代表)。北朝鮮による拉致被害者家族連絡会(家族会)、北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会(救う会)、北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会(守る会)、北朝鮮強制収容所をなくすアクションの会(NO FENCE)の4団体が加盟しており、今回の集会主催にあたり特定失踪者問題調査会と北朝鮮難民救援基金が協力団体として参加した。
徐貞甲本部長が率いる国民行動本部は親北左派政権と体を張って戦ってきた良識的保守団体で、04年10月には30万人を集めて「国家保安法死守国民大会」を開くなど、03年から10年までに173回の集会で合計214万人を動員している。盧武鉉政権時代の大統領秘書室長李炳浣は09年に出版した著書で「17代大統領選挙の真の勝利の主役は両甲(趙甲済、徐貞甲)だった」と書いている。
昨年3月、北朝鮮が韓国海軍哨戒艦「天安」を魚雷で爆沈させたことを契機に、国民行動本部は「対北風船で北朝鮮住民へ真実を知らせることで報復する」として、大規模な対北風船ビラ飛ばし運動を開始、昨年6月以降、月1回以上、毎回数百万枚のビラを飛ばし続けた。徐本部長は、金正日が一番嫌がるのが韓日米の連帯であるとして、左派媒体などからの批判を一蹴しつつ、日本NGOのビラ送付にも積極的に協力している。毎回、韓国の国旗とともに日本と米国の国旗を掲げて、日本NGOが作成したビラ数十万枚もいっしょに飛ばす。日本から代表が参加できない場合でも、日本国旗を掲げ、日本の風船ビラも飛ばしている。
今回の集会を主催した日本のNGOは、日本国内で寄付を集めて、拉致被害者や日本人妻・在朝帰国者への呼びかけと情報提供の要請などを内容とする日本独自ビラを作成して、国民行動本部の風船ビラといっしょに北朝鮮に飛ばしてきた。
冬になり風向きの関係で風船ビラ飛ばしはしばらく休んでいる。大規模な風船ビラ飛ばしができるようになる春を前に、東京で日韓の一層の連帯を確認する東京集会を、金正日の誕生日である2月16日に開催することにしたのだ。集会では、まず日本の各NGOが拉致、帰国在日朝鮮人と日本人妻、脱北者、政治犯収容所問題、などについて、金正日政権の悪行として具体的に糾弾し、それを受けて韓国から参加した国民行動本部の徐貞甲本部長が、韓国の愛国保守運動が展開している「自由統一と一流国家建設」運動について、金成昱記者がその背景にある韓国と北朝鮮の情勢について講演し、日韓がより協力して金正日の悪行と戦うことの必要性を確認する。 |