柳根一
まず12月4日付けの朝鮮ドットコム(朝鮮日報)に紹介された記事の一部を転載する。
<1973年3月、江原道鉄原の非武装地帯(DMZ)で突然の銃声が鳴り響いた... 北側GP(警戒哨所)からDMZ表示板の補修作業中の南側3師団・白骨部隊員に向かって奇襲射撃を加えてきたのだった...、朴定仁(82・予備役准将、*右写真)白骨部隊師団長(当時)は、直ちに師団砲兵に対応射撃を指示した...敵軍はびっくり驚天して逃げた。彼の事務室には、「われわれの敵は、不正腐敗、親北左傾勢力、赤化統一北傀軍」と書かれた額縁があった。>
この記事で注目すべきことがある。朴将軍が「われわれの敵」と言った三つがそれだ。「不正腐敗」とは? わが社会の指導層の一部の道徳的恥部だ。「親北左傾勢力」とは? 去る10年間余りわが社会の隅々に根を下ろした「延坪島砲撃=われわれの所為、米国の所為」と言う勢力だ。「赤化統一北傀軍」とは? われわれをいつでも砲撃する金正日の先軍政治だ。
この三つの中で三つ目(そして二つ目も)をわれわれは今まで「包容政策」や「6者協議」で溶かせると考えた。しかし結果はどうだったのか? 李明博大統領は「対国民談話」を通じて、「そういうものではできない」と言った。では代案は?
代案は、北韓住民の変化だと李明博大統領は言った。この言葉は、大統領が北韓の「レジームチェンジ(政権を変えること)を言ったつもりではないと青瓦台筋は話した。だが、民間次元では「もはや北韓の内部変化を期待するしかない」といくらでも言える。ひたすら腕組みをして待つのではなく、北韓の変化を何とかして助ける方法を探すしかない。
どう助けるのか? 情報戦と心理戦とプロパガンダだ。政府の役割もあるだろうし、民間の役割もあるはずだ。北韓住民が外の世界をもっと分かるようにするのが情報戦だ。北韓住民、北韓軍人、北韓のエリートたちが、「今とは異な生き方」を求めるように彼らの心を動かすのが心理戦だ。こういう事々を色々な先端手段らを通じて北韓の人々に伝えるのがプロパガンダだ。
迷信は事実の前で色褪せる。北韓住民、北韓軍人、北韓エリートたちに事実の光を当てよう。事実が分かれば、北韓住民、北韓軍人、エリートらが面従腹背(うわべは従順にみせかけ、内心では従わないこと)、忠誠心の弱化、別の活路模索の順序で心が変わるはずだ。それで市場で生きようとする人々が増えるはずだ。
こういう変化は北韓社会内部の「進化」を促進するだろう。これは、最初は小さな変化かも知れない。充分条件でないかも知れない。だが、必要条件ではあるはずだ。
ソ連がどう崩壊したか? ソ連の住民とエリートの心が、迷信の嘘から事実の真実の方に向いたためだ。スターリンが死んだ後にさらに。われわれ皆が深く顧みるべき他山の石だ。
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