朴世逸(ソウル大学教授、韓半島先進化財団理事長)
｢ハンナラ党は利益集団ですか、価値集団ですか?｣この質問は筆者が2004年の第17代国会当選者大会の基調報告で提起した質問だ。天幕党舎の手痛い経験を踏んで、価値集団への党の換骨奪胎を促すためだった。6年が過ぎた今日、ハンナラ党を見ると利益集団的性格がもっと強くなっている。今度の地方自治体選挙を見よ！今回の選挙の惨敗は、党の分裂と葛藤、そして保守の分裂が最大原因だ。なぜ、党と保守が分裂したか? 価値とビジョンの共有が無いからだ。ひたすら個人と派閥の利益のためだ。派閥の利益のため党は分裂し、個人利益のため全ての公薦(公認)は私薦になった。結局、価値集団でなく利益集団だったため敗北したのだ。
21世紀はどういう時代なのか。自由主義、市場と法治、疎通と参与が一層重要になる時代だ。指導者の献身性と国民の愛国心がもっと求められ、分断された国家が統一され地域が統合してこそ発展する時代だ。ところが、わが国は今どうなのか。自由より平等、法治より無理強い法、国家利益よりあらゆるポピュリズムが乱舞している。甚だしくは、｢市民団体｣が国連で大韓民国を攻撃して国民を惨憺たるにし、学校では大韓民国を否定する極左的歴史観を公然と教えている。しかも、統一時代がやってくるのに、未だわれわれは｢平和か戦争か｣という虚構的扇動に騙されて分断を好み、統一を回避している。
こういう時ハンナラ党は何をしているのか。自由・市場・法治・統一と愛国心を護らねばならない、一言で｢自由主義と共同体｣を護り、｢民主統一｣を成し遂げねばならないハンナラ党は、国民に｢先進化の夢｣と｢統一の勇気｣を与えねばならないハンナラ党は、果たして何をしているのか。今まで彼らは、利益のために価値を、小利のために大義を、派閥のために党と国を捨てる行動をはばからなかった。極左的歴史観を正しく直し、平等主義的ポピュリズムを直す努力をどれほどやったのか。ひたすら派閥の利益にこだわって首都分割という亡国的国家政策一つも正せない与党であり多数党だ。今何を以て弁解できるのか。時代的使命を果せない政党は、解体されねばならず、今日死んで明日生まれ変らねばならない。
如何にして再創造すべきか。党を価値政党・理念政党にしなければならない。世界観と歴史観を持った、国家ビジョンと政策を持った政党に再構築しなければならない。党名も変え、党憲と政綱政策も再創造せねばならない。すべての既存派閥の解体も宣言しなければならない。理念と価値より利益を、国家と党より派閥を重視する人々は党を離れなければならない。自由より平等を、原則より大衆迎合を、民族統一より分断状況での平和を好む人々も離れねばならない。政治的理念と所信、国家ビジョンと政策を共有する人々同士の｢生涯同志的結合体｣として党が換骨奪胎しなければならない。
党を完全開放体制に変えて、新しい｢党の主体勢力｣を作らねばならない。既得権と地域構図に安住する現在の寡占構造を破らなければならない。われわれ社会の｢戦闘的自由-共同体-民主統一勢力｣を全部集める場にならねばならない。ここで｢戦闘的｣というのは、自身の信念と価値のため身を投じる真正性と熾烈性を意味する。党の人的構成を思想と精神が若く、改革的な価値集団に変え、｢先進と統一｣のための党の新しい歴史の主体を作らねばならない。
党員と組織の大々的拡大を通じて党の国民的基盤を大きく広めねばならない。党組織と運営を真性党員中心に改編しなければならない。すべての公認は党の理念と価値に最も献身的な言行一致の指導者たちの中から党員が直接選ばねばならない。特に、庶民と若い層へと党員の拡大努力を大いに強化しなければならない。
以上の全てのため、党を｢院内中心体制｣から｢院外中心体制｣に変えなければならない。党の中心が、国会外に出て｢国民の中に｣入らなければならない。それで｢院外代表｣を置かねばならない。この院外代表が、党の理念政策の研究、党員拡大と教育、公認と倫理委員会を管掌しなければならない。そして1年365日全国を廻りながら国民と絶えず疎通し対話しなければならない。
ハンナラ党は多くの過ちを犯した党だ。だが、｢自由、共同体、統一｣がわが国の発展のための絶体絶命の価値であるため、われわれは彼らの改革にもう一度、いや最後の期待をかけるのだ。
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最終更新日: 2024-05-15 06:23:21
