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2010年06月16日 00:00
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張成沢、国防副委員長に―今年2度目の最高人民会議で

 北韓は7日、第12期最高人民会議の第3回会議を平壌で開催した。同会議は今年4月に開かれたばかり。今回の開催は5月の金正日訪中後、哨戒艦「天安」爆沈の「北韓関与」に韓国が強く言及し始めた5月17日に決められた。前回会議から2カ月もおかない、異例の年2回目の開催となった。4月の会議には出席しなかった金正日も姿を見せた。

  会議では、金日成の責任秘書なども歴任した崔英林平壌市党委員会責任書記が新首相に任命された。また、新副首相に任命されたのは4人。副首相兼任者2人と、留任された盧斗哲と朴寿吉を加え、副首相は5人から8人に増えた。
 もっとも注目されたのは、金正日の提案により、妹婿の張成沢(労働党中央委・行政部長兼任)が4人目の国防副委員長に選ばれたことだ。一時は権力の中枢から遠ざけられていた張成沢が要職についたことで、同氏をナンバー2と見る向きがあるが、国防委の中では同じ副委員長職にある呉克烈を実力者として注目すべきであろう。

 大々的な閣僚人事交代を行った今回の会議は、後継体制の確立にあったというのが一般的な見方だ。時期的には、後継者の最有力候補と見られていたジョンウンの“後見人"李済剛・組織指導部第一副部長が5月2日に交通事故で死亡した直後。同職の李勇哲も4月26日に心臓麻痺で死亡したと伝えられていた。
 ここでも張成沢が、3代目への権力世襲の後見人的役割を任されたのだろうといわれている。

 しかし、一連の人事を後継者固めと断定することはできない。金正日の関心は、後継固め以外に向けられているためだ。
 金正日訪中(5月3日~7日)の際、中国側から内政・外交においての意思疎通など、内政干渉的な発言があった。平壌側はその直後の5月12日、核融合成功を発表。金正日が中国の態度に応酬したものと見られる。これに北京側がまた不快感を示すなど、平壌と北京の関係は相互に牽制しあう複雑なものに変化しつつある。
 金正日は現在、イランやミャンマーとの核開発協力を続けるなど、米国との対決姿勢を変えようとしていない。その延長線上で、対南挑発を激化させ、韓国政府を屈服させようとするだろう。

 今回の人事改編では、経済難で悪化している民心への刷新も兼ねてか、民生関連部署の大臣2人が副首相兼任となった。
 昨年11月より具体化が見られた「羅先開発」や、「大豊国際投資グループ」に関連する中国からの投資や援助に対する新法令の制定は今のところまったくない。
 「羅先」は20年前にも経済特区に定められたものの、外国資本の誘致が進まなかった。先月の金正日訪中でも中国側から「改革開放・世襲反対・核放棄」の圧力を受け、合意は得られなかったのだろう。金正日が予定より1日早く帰国したことや中朝のコメントの相違からも推測できる。

 開放・改革がなければ国内経済の好転は進まない。中国、旧ソ連、ベトナムなどの社会主義国は開放改革の経済路線を敷き、成功を収めているが、北韓は体制の生存手段として、また崩壊の抑止力としても、軍事力の拡大を図るだろう。

2010-06-16 1面
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記事: 統一日報社  
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