金・ミオク(開かれた北韓放送の中国瀋陽通信員)
最近、北韓と中国の国境地域では、中国の元(Yuan)が北韓の新札を駆逐している。人々は北韓の貨幣で取引しようとせず、中国の元貨だけを求めている。
2月6日、咸鏡北道と両江道の消息筋によれば、咸鏡北道と両江道をはじめ北部の国境地域で市場が再び蘇えっているが、北韓貨幣で取引をしようとする商人たちは殆どないという。北韓当局の市場統制緩和で市場に少しずつ活気が戻っているが、もはや北韓のカネのイメージが地に落ちて北のお金で取引しようとする商人がないという。
消息筋は、現在北韓‐中国国境地域では、ほとんどの品物が直接中国の元貨で取引されているという。貿易はもちろん、国内の取引も「元貨」で取引されているというのだ。消息筋は、「国の金」 (北韓のカネ)は紙に過ぎないと伝えた。食糧をはじめ、生活必需品や衣類などほとんどの品物を大手商人から卸売商や一般の小売りまで、100%「元貨」で取引しているという。甚だしくは、手車で荷物を運ぶ人夫らまでも北韓のカネで払えば受取らず中国元でくれと言うそうだ。今、北韓‐中国国境地域では中国の元貨が実質的に北韓の公用貨幣である。
こうなった原因は、言うまでもなく「貨幣改革」のためと消息筋は伝えた。今回の貨幣改革で北韓住民の北韓のカネに対する認識が変わった。昨年の11月30日、「貨幣改革」発表後、一ヶ月も経たず物価が暴騰した。したがって、人々は12月末から当局の統制を盗んで中国元で直接取引し始めた。それから2月1日、市場統制が解除されてからは公然と「元貨」で取引しているのだ。
消息筋は、今回の貨幣改革を通じて北の新札が一ヶ月も経たず価値が暴落するのを体験した後、北韓住民の間に「国のカネ(北韓貨幣)」は持つ必要がなく、あらゆる生活必需品が供給される中国の元貨を持ってこそ安全だという考えが深く根付いたと語った。消息筋は、また数十年間騙されてきたばかりの北韓住民たちの頭の中から、当局の施策をそのまま信じて受け入れてはならないという考えを消すことはもはや不可能になったと伝えた。
南米のエルサルバドルとエクアドルは、各々2000年と2001年に自国の貨幣を放棄して米ドルを公用貨幣として採択した。理由は自国貨幣の価値が地に落ち、住民が自国の貨幤よりは米ドルを好んだためだ。今、北韓の国境地域でも似た現象が起きている。米ドルでなく中国の元貨が通用する違いだけだ。Yuanizationが起きているのだ。
消息筋は、こういう中国「元」の通用現象は咸鏡北道、両江道、慈江道、平安北道など国境地域では一般的だが、内陸地域ではそれほどではないと話した。
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