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2010年01月18日 21:30
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北韓の運命は今年2010年に決まる!
北韓が体制安定を継続するのか? それとも混乱の末の崩壊か? それはまさに今年の運命にかかっている。その理由はこの2010年が昨年末の貨幣交換後の初めての実験の年であるためだ。
張真晟(脱北詩人*「私の娘を100ウォンで売ります」の著者)
韓国のメディアと「学界」は、北韓の「新年共同社説」に対して一様に「変化」を云々している。甚だしくは「北韓版太陽政策」、「北側の勇断」という表現も乱発している。これは、安易かつ非常識的であるだけでなく、危険な解釈でもある。
 
北韓という国は、彼らの体制論理で理解してこそはじめて分かる。今年の「共同社説」は、変化でなく、むしろ社会主義をもっと強力に復元しようとする金正日の閉鎖統治意志で一貫している。
 
2010年の北韓の「新年共同社説」の特徴は大きく見て三つだ。
まず、過去の「先軍第一主義」から、「党第一主義」へ旋回したことだ。北韓政権は、経済の不安定のため増幅される住民の体制不満を、今まで「戒厳統治」で管理してきた。
これは「戒厳政局」を人為的にアピールさせた側面では成果を上げたが、その代わり「朝鮮労働党」の先頭的役割や絶対的地位に対する社会的認識を希釈させた。結局、今まで単一化された北韓の理念が、先軍に二重化されながら、北韓政権は統治理念の画一的強制力を不本意に弱化させた。
 
それで、過去には党への忠誠だけに慣れた住民たちが、今は党より先軍にもっと慣れるようになった。これは洗脳の集中力を分散させただけでなく、忠誠の目標と意志を低下させた。そのため、今回の新年共同社説は、「先軍」に勝る党の地位を回復しようとする北韓政権の意志を強く表出した。「朝鮮労働党」創建65周年を国家重大行事日と指定したのも、この契機を通じて今年の「国家情緒」を党第一主義化するためだ。
 
二番目は、人民経済の発展を強調したことだ。
今年2010年は、北韓体制の今後10年を規定する岐路でもある。安定体制を続けるのか? それとも混乱の末に崩壊か? それはまさに今年の運命にかかっている。その理由は、この2010年が昨年末の貨幣交換断行後の初めての実験の年であるためだ。
 
つまり、北韓政権は新しい貨幣でこれから新しい体制安定と秩序を作り出さなければならない。現在、北韓政権の最も大きな悩みは、貨幣交換で一応「市場資本」は回収したが、「市場人力」は回収できなかった点だ。その間、配給制度が崩壊し、貨幣価値と商品価格を市場が主導した結果、北韓の全ての人力は、「唯一指導」から脱線して市場へ流れた。
 
この人々に対する国家的管理が行われてこそ、命令と服従という構造が築かれるのに、今まで北韓政権は市場に人々を全部奪われたのだ。「市場人力」を回収するためには、国家の唯一経済管理指導システムの復元がカギだ。
 
そうしてこそ、国家が主導する貨幣価値で住民に月給を支給でき、その月給で忠誠と優待の差別化も実現できるのだ。「新年共同社説」の前半を人民経済の向上に当てたのは、貨幣交換後北韓政権の悩みがどれほど大きく焦っているのかを如実に示す反証でもある。
 
三番目は、対南・対外分野で「実用主義」を正面に出した点だ。
過去には「先軍政治」に基づいた強い北韓を強調した余り、挑発的な言葉で充満したが、今年は対内分野でも「先軍」強調が抜けたため、その影響が対外部門にまで及んだ。
 
特に、アメリカとの関係への希望と非核化を結びつけて力説したのは、北韓政権が今「6者会談」への復帰を準備しているように見える。そうするしかないのは、先も触れたが、北韓は貨幣交換後初めての年である今年に必ず対外支援(の獲得)を極大化しなければならない。
 
現在、北韓は生産と消費でない、輸入と消費という不均衡の経済構造を持っている。貨幣改革で「市場資本」は回収したものの、商品価格の主導権は国家が全く持たない実情だ。仮に、高い設備を輸入して工場を建てても、中国の安い商品に押されて(工場を)維持もできない状態だ。
 
国境地域を通じて密輸される中国商品らは、為替レートと商品価格の安定を無差別的に崩壊させる狙撃手でもある。もしかしたら、北韓という国は中国のため生存すると同時に、中国のためもっと速く滅びるかも知れない。商品を確保できないと今回の貨幣改革は無意味なだけでなく、むしろその衝撃のため「市場人力」がさらに増加するはずだ。
 
だから、過去には「体制保障」を米・北対話の条件として提起したとしたら、今年は商品・米など現実的で非常に具体的な条件らを提案することもあり得る。恐らく、それで李明博政府のグランドバーゲン提案も対話のテーブルにのせるショーを準備すると思う。
 
このように、北韓は2010年に政権の命運をかけたといっても過言でない。それで北韓歴史上初めてに「敵対感」を最大限抑制した論調を示した。だが、これを前向きの変化と捉えて、われわれが無原則な善意や雅量で応える場合、金大中の「太陽政策」よりもっと危険な対北政策として歴史に恥辱を残すようになるだろう。
つまり、北韓政権の窮地を助けると住民の苦痛をさらに延長させる共犯と烙印されるだろう。だから、わが政府も今年の対北政策には例年とは違う慎重な意味を付与せねばならない。
 
まず、北韓が狙う「実用の今年」を、われわれの実用主義に転換させなければならない。金大中政府が「太陽政策」を推進するや、北韓が「太陽政策逆利用戦略」で対応したように、われわれも北側の戦略を逆利用する方案を具体化しなければならない。
 
まず、われわれ主導の南北対話論理を公論化せねばならない。今までの南北対話は、北韓の戦略的選択によって行われたため、平和・民族などの観念的で抽象的な概念に多く拘束された。
これは北韓の理念戦略に巻き込まれる結果を招き、南韓の実用的姿勢とは関係なく進行されたり断絶されたりした。北へ拉致された人の送還問題を提起すると、北韓体制に対する挑発と見なされるほど、韓国にはあまりにも主体性が欠けていた。
 
北韓が腰を低くして確かに手を差し出す時、われわれは拉北者の送還問題、離散家族対面の定例化など、われわれの利益が反映された堂々とした要求で、南北対話論理を一段階アップグレードさせねばならない。
 
次は、北韓の市場拡大と開放に焦点を合わせて「逆利用戦略」を推進しなければならない。北側が最も渇望する商品に対する支援を主動的に提起し、南北対話の主導権を確保する一方、市場の拡大に寄与する方向で対北支援をしなければならない。
 
それで、商品の中国への依存を、韓国への依存に変えるようにする転換的契機と構造を作らねばならない。同時に、与える者は与える者らしく、貰う者は貰う者らしい礼儀も同時に教えてあげねばならない。
 
この全てを可能にするためには、韓・米・日同盟が前提条件でもある。北韓は、「北核問題」、「拉致問題」などを対話のテーブルにのせ、アメリカと日本から別々にせびり取る分散戦略で対北支援を極大化しようとするはずだ。
 
李明博政府のグランドバーゲンに基づいた国際共助と共同支援がなされないと、北韓の離間戦術に乗られる可能性が大きい。だから、グランドバーゲン政策での韓国の持分を大きくアピールして、アメリカの絶対的支持を引き出す一方、「拉致問題」に対する積極的関心を見せて日本との共助を必ず確保せねばならない。
 
もう一度強調するが、2010年は南・北韓両方に重大な年だ。北韓は貨幣改革が成功するか失敗するかの運命的な年で、わが南韓には北韓の開放を誘導するか出来ないかの歴史的岐路だ。
 
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