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2009年08月19日 00:00
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親北・左派のシンボル金大中氏の死
金正日政権には致命的な打撃
佐藤勝巳
 金正日政権は韓国現代グループをだまし、韓国からカネを巻き上げる謀略を始めた。まさにその瞬間、韓国の親北・左派のシンボル金大中元大統領が18日他界した。金正日政権にとって致命傷の打撃となるであろう。
 
 8月17日、韓国・現代グループと北朝鮮・朝鮮アジア太平洋平和委員会との間で、南北往来の正常化、離散家族の面会事業の再開、金剛山・開城・白頭山観光など5項目を合意したのがそれだ。
 
 金正日政権は、これまで現代グループの職員を不当に逮捕し、韓国政府が釈放を求める交渉にもかたくなに応じなかった。今なぜ急に現代の拘束職員を釈放、韓国政府ではなく民間企業である現代グループを相手に融和路線に転換したのか。
 
 国連決議1874を根拠に、オバマ政権は既報のように軍事力と同時に金融制裁も強化しつつある。中国政府も現在のところ制裁や軍事的圧力をかけている。金正日政権は2012年に強盛大国になることを内外に宣伝していたが、国際環境はにわかに厳しくなり出した。その打開策の一つが、経営困難に陥っている韓国現代グループをだまして金正日政権の生き延びる作戦に利用しようと動き出てきたのである。
 
 現代グループが金大中・盧武鉉政権と組んで金剛山観光、開城工業団地などに手を染めたのは現代グループの戦略的判断であった筈だ。三星は、在日朝鮮人企業130社ほどが北朝鮮に進出、失敗した経緯をサンプル調査し、結論としてリスクが高すぎると判断、北と関係を持たなかったと聞いている。多分、現代グループには、在日朝鮮人企業家たちがたどったと同じ破綻が、目前に待っていると思われる。このような事態は、現代グループが金正日政権を相手にして商売が可能と判断したことに、すべての原因がある。この判断ミスが企業の危機を招いたので、大韓民国や李明博政権には何の関係もないことである。
 
 5項目合意を見たとき、現代が北と決めた金剛山、開城、白頭山観光、離散家族の面会再開事業、南北往来などは、李明博政権が同意しなければ民間企業の判断で出来る話ではない。現代玄会長は北と合意するにあたって、事前に李明博政権の了解を得ていたのであろうか。政府の了解を得ないで勝手に決めたとすれば大問題となろう。もし、李明博政権が裏でゴーサインを出していたとすれば、国際社会を裏切ったことになる。
 
 国連決議1874の主要な柱の一つは、金正日政権に対する経済制裁である。金正日が現代グループに提案してきた中身は、開城工業団地の労賃のピンハネ増額、観光や離散家族再開などを通じて得られる外貨を手にして、延命を図る謀略だ。 李明博大統領は、8月15日の演説で金正日政権に核放棄を求めていたばかりだ。それなのに現代グループが北と合意した中身に裏で同意を与えていたとなれば、政治家としての政治生命はこれで絶たれるだろう。従ってそれはないと信じたい。
 
そもそも開城工業団地は、北朝鮮権力の支配地域内に南が資本を出し、北が安い労働力を提供して、南北合作でモノを生産、民族共助で朝鮮半島が発展するという金正日と金大中のバラ色の幻想で生まれたものだ。
 
2000年6月15日の金大中と金正日のトップ会談を、私は当時の著書の中で、「悪魔と詐欺師の抱擁」と書いたが、開城工業団地は韓国人300名が金正日政権管理下にある、韓国人にとってきわめて危険な金正日政権支援事業である。悪魔金正日の核ミサイル開発を援助したのも金大中・盧武玄両政権である。
 
世界観も価値観、社会・経済制度も違うもの同士が、事業を成功させるためには、お互いに約束を守ることが絶対的条件である。金正日政権が約束を守るなど、太陽が西から昇ってくるような話で、あり得ないことである。現代の職員に言いがかりをつけて勝手に拘束、それを交渉の材料に使ってくる、そんな悪魔集団を相手にして商品の生産が可能と信じる方に責任がある。李明博政権はこんな危険な状態をなぜ放置しておくのか。大胆に政策転換を図るべきときではないか。
 
 今一つ理解できないことは、2006年10月国連安保理で金正日政権の核実験に制裁の程度をめぐって大騒ぎになっているとき、韓国人は金正日政権への経済的援助とも言える「金剛山観光」を行なっていた。同胞が金剛山で北の兵士に射殺されている。どうしてこんな危険を冒してまで金剛山に観光に行くのか。日本から見ていると極めて奇異に見える。
 
金大中元大統領の訃報に接して哀悼の意を表することにやぶさかではないが、氏の行動パターンは、あるときはアメリカに、別なときは日本に助け(協力)を求め、ついには金正日なる悪魔と抱擁するに至った。その後も悪魔を支援し続けてきた韓国の「ガン細胞」として象徴的存在であった。
 
自由民主主義の大韓民国のために、現代グループ玄貞恩会長が金大中氏のような存在になって頂きたくないことを、隣国の一人として切に望んでいる
 
 
対談 ― 韓日米との新機軸を(上)
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