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2009年08月17日 15:30
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ユ・ソンジン氏の釈放と大韓民国の対北政策
「不当な行動」さえやれば、いつも例外なしに「補償」を受けるという公式を終わらせる時だ。
李東馥
去る3月30日、開城工団で、未だ謎の正体不明の「罪目」で北韓当局によって抑留された現代峨山のユ・ソンジン氏が、抑留されてから136日ぶりの8月13日、「追放」の形式で釈放されて南に帰ってきた。ユ氏が自由を回復した事実は、その間恐らく言葉で表現し難い精神的・肉体的苦痛を耐え抜いたユ氏自身はもちろん、彼の無事生還を待ちこがれた釜山に住む老父母らにはそれ以上の幸いなことはないという点で、ユ氏の釈放と送還のため努めた当局と民間の関係者たちの労苦は労わねばならない。
 
しかし、ユ氏が自由の身になった時点で、我々は冷徹にこの問題の性格や彼の釈放と帰国後に展開される南北関係の状況を確かめて見る必要がある。政府は、ユ氏の送還が実現した後、「ユ氏の釈放と関連して政府が北側に代価を払うか、謝罪、または遺憾を表明した事実がない」と急いで主張した。まず、このような政府の主張が、どれほど公信力があるかは未知数だ。過去にも海外でテロ団体などによる海外同胞拉致事件が起きた時も、拉致当事者の釈放後は、常に今回と同じ政府の「主張」が「付き物」だったが、事後に確認されることではほとんど例外なしに「代価」を支払ったのが事実だった。今回の場合も、しかも相手が金正日の北韓という事実を考慮すれば、そういう「通例」の「例外」だというのは、言葉どおり「知れた芝居」の格好に見えるだけだ。
 
問題は、仮に今度のユ氏釈放の「代価」として、例えば「拉致犯」らに支給するような金銭的、または財政的「補償」が支払われたとしても、それ自体が重要なことではない。より大きな問題は、ユ氏釈放と送還の「代価」として、政府の対北政策に「動揺」や「漂流」、または「変化」が齎されるのかどうかだ。もし、そのようなことが生じれば、その意味は真に否定的と言わざるを得ない。そういうことがあれば、それは結局、北側はこのような「不当な行動」さえやれば、いつも例外なしに「処罰」を含む不利益どころか、逆に「補償」を受けることになるのを意味することになるのだ。その結果、大韓民国の対北政策は、常に北側が選択的に犯す「海賊行為」の「人質」になることを意味することにもなる。
 
案の定、ユ・ソンジン氏の釈放と送還が実現するや、南韓社会ではとんでもない状況が展開し始めている。ユ氏の釈放と送還を持って、とんでもなく北側の「人道主義」を語り、「これに相応する贈り物」の次元で、対北政策の修正の既定事実化を誘導する議論が起き始めている。まさにその意味で、韓国の親北・左派勢力と民主党・民主労働党など野党はもちろん、甚だしくは政府・与党の中からも、今北韓訪問期間を延長しながら、金正日との面談の実現を待っている玄貞恩現代峨山会長が、平壌から持ってくる「ふろ敷包」を鶴首して待ちわびている模様だ。
 
しかし、ここで明確に指摘して置かねばならない問題がある。厳密に言えば、ユ氏の釈放と送還は今回の事件の本質でないという事実だ。今回の事件の本質は、北韓当局が、「具体的に摘示せず、したがって客観的正当性が疑問視される罪目」を理由に、ユ・ソンジン氏という「大韓民国国民」の身柄を一方的に抑留しただけでなく、その後この抑留したユ氏の身柄を処理するにあたって、国際的に確立されている手続きはもちろん、南北が合意して発効させた関連合意を、完全に無視し、丸で国際テロや「海賊」を彷彿させる一方的かつ無法者的な態度を固守したことにある。このような北側の態度が今回のユ・ソンジン氏抑留の場合に限ったものでないのはもちろんだ。昨年の「金剛山銃撃事件」でも、最近の漁船「沿岸号」の事件でも同様の姿勢を見せている。
 
ユ・ソンジン氏の釈放と送還が実現した時点で政府の対北政策は基本を固守せねばならない。政府は帰還したユ氏から抑留経緯と抑留中の生活に関する真相調査に着手した。まず、政府はユ氏に関して把握された内容の全貌を国民に公開せねばならない。政府はこの真相を土台に、北韓側の「無法者的」行為に対し抗議し、謝罪を要求するべきであり、ユ氏の釈放と送還に対する「代価」や「補償」の次元でなく、北側との交渉を通じて今回のような事件の再発を根源的に防止するだけでなく、再発する場合これを処理できる合理的手続きを設けるのに注力しなければならない。
 
北側が本当に「人道主義」に一抹の関心でもあれば、「沿岸号」の船員と船体こそ遅滞なく送還しなければならない。この問題が南北交渉の対象になることそのものが非常識だ。そして「金剛山観光」問題は、依然北側が銃撃事件の真相究明に応じてから明らかになる真相を土台に、責任の所在を糺し、処罰と謝罪および補償と共に再発防止措置を講ずるのがことの正しい順序だ。「開城工団問題」も、北側が土地の賃貸料および賃金問題に関して、既存の合意を無視して一方的に提示した不当な要求を先に撤回し、「経済論理」に立って韓国の企業らと北韓当局間で合法的手続きに基づいた協商を通じて円満に解決することに、北側が同意するのが急務だ。
 
こういう合理的な処理の手順を度外視し、万一でも李明博政府が今回のユ・ソンジン氏の釈放や追放に対する「代価」の次元で、恒久的な安全装置も設けず、金剛山と開城観光の再開を許すか「開城工団問題」に関して無理に譲歩することがあれば、李明博政府の対北政策は過去金大中・盧武鉉政権の対北政策よりもっと強力な国民的抵抗を覚悟せねばならと警告せざるをえない。
 
大韓民国の対北政策の基調は、依然アメリカおよび友邦との「緊密な共助」をもって、北韓の核開発を阻止すると同時に、次第に可視化しつつある3代目への権力世襲の失敗で北韓で「急変事態」が発生する場合に対する備えに徹底を期し、「6.25南侵」60周年になる来年には、可能ならば大韓民国が主導する南北統一の奇跡がわれわれの世代に現実になれるようにする転機を作るところに置かねばならないという事実を、今回の事件を機会に確かめたい。
 
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