北韓側が、開城工団の土地賃貸料と賃金や税金など既存契約の無効を宣言し、自分たちが新しく提示する条件を南側が無条件受入れる意思がなければ、撤収しても良いと通告してきた。
北側の「中央特区開発指導総局」は、5月15日、「開城工業地区管理委員会」を通じて南側に送った通知文で、「開城工業地区において我々が今まで『6.15共同宣言』精神によって南側に特恵的に適用した土地賃貸料と土地使用料、労賃、各種税金など関連法規らと契約の無効を宣言する」と表明した。
続いて、「我々は変化した情勢や現実に合うように、法と規定、基準が改正されるに従って、これを施行するための手続きに着手する」、「開城工業地区の南側企業らと関係者たちは、我々が通知した以上の事項を無条件受入れねばならず、これを執行(接収)する意思がないなら開城工業地区から撤収してもよい」と伝えたと「朝鮮中央通信」が報道した。
「通知文」は、このような措置が「委任」によるものだとした。
北側は、今後、開城工団の賃貸料と賃金、税金などに関する法規を改正して発表する措置を取り、韓国政府と工団入居企業などに新しい条件の「受入れ」か「工団から撤収」かを選択するように要求すると予想される。
北側は、4月21日の南北間の接触(開城)の時、開城工団への「特恵」を再検討する協商を提起した。今後、北側が、開城工団と関連した各種の法規や基準を一方的に改正する場合、賃金や賃貸料などを大幅に引き上げる可能性が大きく、すでに工団に入っているか入る予定の南の企業らは、経済的な側面からも受入れ難い状況だ。
北韓側が「通知文」を通じて「(南側が)撤収してもいい」という立場を明らかにしたのは、開城工団で働く3万9千人余りの北側勤労者が稼ぐ年間3,400万ドルを放棄し得るという立場を整理したと見られる。
「通知文」は、「6.15(精神)を否定する者らに、6.15の恩恵を与えられないことはあまりにも自明な道理」と主張し、「南側は、開城工業地区契約改正のための実務接触を霧散させ、事態をより悪化させた責任を負うことになる」としながら、「もはや、これからの事態がどのようにもっと険悪になるのかは、全的に南側の態度如何にかかっている」と南側に責任を転嫁した。
韓国政府は、南北間の第2次開城接触の議題として、北側に抑留された現代峨山職員(ユ某氏)問題を入れることを要求するのに対して、北側の通知文は、「不当な問題」や「議題外の問題」だ"と拒否する立場を明らかにした。
「通知文」は、ユ氏に対して「現代峨山職員の帽子をかぶって入ってきて、我々に反対する不純な敵対行為を日常行って現行犯として逮捕され、調査を受けている者」と規定し、韓国政府がユ氏問題を「実務接触の前提条件」として提起するのは、「実務接触をもう一つの南北対決の場にして、工業地区事業そのものを破綻させようとする南側当局の故意的で計画的な挑発行為」と非難した。
通知文は、「南側がどうしても我々の誠意と努力を無視し、対決的姿勢で応じて出た条件で、我々はやむを得ず、すでに予告した通り、協商を通じて議論しようとした立場を再考せざるを得なくなった」と主張し、「ユ氏問題」を議題に入れる接触や対話には応じないことを繰り返し表明した。
開城工団は、金大中の平壌訪問(2000年6月)後、「現代峨山(鄭周永)」と金正日が合意して始まり、2002年12月公式着工した。北側は70年間の土地利用権を保障し、当初は2010年以後は2,000余りの企業と25万人の雇用などを宣伝した。
統一部によれば、開城工団には今年4月末現在、中小企業を中心に104の企業が入居しており、工場を建設中の企業が33社、土地分譲を貰ったものの未着工の企業が100余りと伝えられている。今まで民間が3,700億ウォン、政府が3,600億ウォンを投資し、累積生産総額は5億7,400万ドル。
2009-05-15 |