ログイン 新規登録
最終更新日: 2024-07-23 12:58:08
Untitled Document
ホーム > 主張 > オピニオン
2009年04月07日 14:12
文字サイズ 記事をメールする 印刷 ニューススクラップ
 
 
北韓をわが方へ取り込め‐アメリカの21世紀大戦略
アメリカ覇権のアジアへの移動は荒唐な話...
アメリカは、中国・日本・インドの中で一国だけを味方で確保すれば覇権の移動を防げる
「北韓に対する最大威嚇国家は中国だ...北韓が依存できる唯一の国はアメリカである」
李春根(政博、女子大学兼任教授)
アメリカの東北アジアおよび対北政策を理解するためには、アメリカの大戦略に対する理解が先行しなければならない。有名な戦略家のジョン M. コリンスは、国家の大戦略とは「想像できるあらゆる条件の下で、国家安保上の諸目的を満足させるための国力の適用」と広く定義した。国家の大戦略とは、一つの特定戦争で勝利するための方案だけを意味するのではない。国家が存在する目的と方法、国家の存在理念までも含む広い概念なのだ。
 
冷戦の真っ最中の1970年代、特にカーター大統領時期のアメリカが、ソ連はもちろん、世界各国の挑戦にまともに対応できずふらついていた時、多くの識者らは、アメリカは大戦略のない国で、せいぜいその場の危機をまぬがれる問題解決のみがある国だとばかにした。ソ連は長期的な眼目の戦略があるのに、アメリカは短期的な戦術のみがあると卑下され、ベトナム戦で見られたようにアメリカは戦闘ではほぼ勝ったが、戦争では負けてしまった国と低評価された。
 
戦略があるといわれたソ連は歴史の灰の中に埋められてしまって、戦略どころか、その時その時の問題解決に汲々とするといわれたアメリカは、1990年代以後今まで唯一超強大国、世界の覇権国として君臨している。このような現状の到来は、力説や反則でない。われわれが、米国の大戦略を理解しそこなったからだ。今アメリカが経済危機のため覇権国の地位から退くという見解が随所で広まっている。アメリカの大戦略に対する正しい観戦法が分からない人々がいう話だ。アメリカは今回の経済危機以後、むしろ一層強大な地位を回復する可能性が高い。
 
アメリカの大戦略は、まずアメリカ以外の全ての国々とは大戦略の指向するところが全く違うという特徴を持つ。アメリカは、覇権国であるため本質的に現状維持的な戦略を追求する。反面、米国以外の全ての国は現状打破的な大戦略を持つ。自身の地位を現在より上昇させねばならないためだ。現象打破的な国々は、自分が何かを「成就」しなければならないという戦略を樹立する。反面、すでにトップのアメリカの大戦略は、他国が何かが「できないようにする」ことに焦点が合わせられている。
 
アメリカは、ベトナムを征服しようとしなかったしイラクを征服しようとしなかった。代わりに、アメリカは、ベトナムが中国の影響力の下に入ることを防ごうとし、イスラムの大帝国が建設されるのを防ごうとした。ベトナム戦争の性格が共産主義と資本主義の対決でなく、民族主義と帝国主義の対決である事実を遅れてながらも分かったアメリカは、急いでベトナム戦を終結させた。ベトナムの民族主義は中国の共産主義的帝国主義に対してむしろ一層強力に抵抗する勢力になるという確信を得たためだった。
 
オサマ・ビンラディンはもちろん、イラクのサダム・フセインも、イスラム大帝国の建設を夢見る人々の一人だ。アメリカは、サダム・フセインを追放した後、イラクにより親米的な政権を建て、イラクを占領することでイスラム大帝国建設の夢を効果的に「妨害」しているところだ。
 
今回、オバマは下手ではあったが、イラン国民に訴えることでイスラエルを地中海に追い込み、イスラム大帝国建設の主役になろうという空しい夢を見ているアフマディーネジャード・イラン大統領を、より穏健な大統領に変えようと試みた。イランは大統領を選挙で選ぶ国であり、大統領選挙が近づいている。オバマ大統領時代にもアメリカの大戦略はやはり働いているのだ。
 
ほぼ全ての人々、なはだしくは相当数の知識人でさえ、「アメリカの覇権がアジアへ移動」しているという荒唐な話をするか信じている。アジアが一つでもないのに、どうしてそのような話が言えるのか。アメリカは、アジアの覇権候補国の中国・日本・インドの中のある一国だけでも味方に確保していれば、アメリカの覇権がアジアのある国へ転移されることを防げる。
 
ビル・エムモッは、ブッシュ大統領の大戦略の中で卓越した成功事例の一つとして、インドがアメリカ側に寄付くようにしたことを指摘する。インドの核爆弾計画までを認める代価で、アメリカは、地政学的に中国と競合せざるを得ない運命的大国インドを、アメリカ側に引入れた。インドと日本の支持が得られない中国が、アメリカの覇権に挑戦するというのは空しいことだ。
 
韓半島でも、アメリカの大戦略はやはり働いている。アメリカの大戦略の中で北韓は何だろうか? アメリカ国力の数百分の一にも及ばない、ボロをまとい飢えた独裁国家の北韓を、アメリカはどうしようとするのか? 北京大学のチャオウィズ教授は、北韓が核を保有するように放置したのは中国の大失策で、それよりもっと大きな失策は、核を保有した北韓が米国と接触するのを許したことだという。彼は、中国東北3省の3億の人民が、結局北韓の核兵器の威嚇の下に置かれるようになったと嘆く。アメリカの大戦略を正確に読んだ中国学者の鋭い分析だ。
 
中国は、その間、北韓が保有する核兵器は専ら米国のみを威嚇するものであって、中国の安全とは関係ないものだと考えた。それこそ冷戦的発想だった。地政学的に見る時、北韓に対する最大の威嚇国家は中国だ。中国のいう東北工程の論理は、北韓は無いという意ではないか。
 
アメリカの大戦略の一つは、北韓をアメリカ側に立つ国にすることだ。北韓は、アメリカが中国を牽制するに最適の戦略要衝であるためだ。北韓の人々が、冷戦的思考を捨て、より戦略的に考えれば、北韓の安全を確保してくれることのできる、北韓が依存できる唯一の国はアメリカである。
 
北韓も今や脱冷戦時代の大戦略を読み始めた。問題は、金正日はとうてい脱冷戦時代の大戦略的思考ができる人物でないという点である。それでブッシュはそこまで北韓のレジームチェンジを力説したのだ。レジームチェンジが為された北韓であってこそ、はじめてアメリカの大戦略が作動できるからだ。北韓に対するこのようなアメリカの大戦略的発想は、オバマもブッシュと然程違うところがないはずだ。
 
뉴스스크랩하기
オピニオンセクション一覧へ
ソウルを東京に擬える 第31回 居酒...
韓商新会長に柳和明氏
金永會の万葉集イヤギ 第17回
金永會の万葉集イヤギ 第18回
新たな韓食にバイヤー注目
ブログ記事
マイナンバーそのものの廃止を
精神論〔1758年〕 第三部 第28章 北方諸民族の征服について
精神論〔1758年〕 第三部 第27章 上に確立された諸原理と諸事実との関係について
フッサール「デカルト的省察」(1931)
リベラルかネオリベか
自由統一
金正恩氏の権威強化進む
北韓が新たな韓日分断策
趙成允氏へ「木蓮章」伝授式
コラム 北韓の「スパイ天国」という惨状
北朝鮮人権映画ファーラム 福島市で開催


Copyright ⓒ OneKorea Daily News All rights reserved ONEKOREANEWS.net
会社沿革 会員規約 お問合せ お知らせ

当社は特定宗教団体とは一切関係ありません