金泌材(フリージョン・ニュース記者)
日本が韓・米当局と共に北朝鮮急変事態に備えた行動計画を検討していると伝えられ、韓・米・日の3角同盟軍の運用が可視化するのでないかという観測が出てきた。
世界日報は、11月2日付の報道で、日本政府消息筋を引用し、「日本が北朝鮮国内が混乱する非常事態に突入する場合、独自の対策を用意中」とし、「日本の韓半島非常事態に対する行動計画は、金正日の健康悪化説が広がりながら強化されている」と伝えた。
日本の韓半島非常計画は、韓国が対北人道支援に出る場合、日本は備蓄米から100万tを北朝鮮に提供し、海上に漂流して日本に到着した北朝鮮の難民は、福岡、新潟などに難民臨時収容所を設けてしばらく滞在させた後、韓国へ移送するという計画だ。
日、偵察衛星を通じての北動向探知を強化
同時に、難民のためのワクチンなど医薬品の備蓄を充実し、ベトナムのボートピープルの事例を研究し、韓国政府と歩調を合わせて準備して行く方針だ。難民が武装した場合、海上で武装解除作戦を展開し、海上保安庁の海上の警備計画を一層強化することにした。
日本は、独自の偵察衛星を通じて北朝鮮内動向の探知を強化し、アメリカの偵察衛星からの情報の分析も強化することにした。
日本経済新聞は、去る9月21日付の報道で、「金正日の健康悪化で北朝鮮の情勢が混乱する状況に備えて、日本人の撤収手続きや警戒態勢を見直す方針」とし、「日本政府は、自衛隊を韓国に派遣するのは難しい状況を勘案して、日本の民間航空機をまず利用し、残りの日本人を米軍に頼る方案を(すでに)用意しておいた」と明らかにしたことがある。
日本政府は、1993年北朝鮮のNPT脱退を契機に、韓半島の有事時に備えた危機管理システムを整備した。当時の報道によると、日本は、韓半島有事時10万人以上の難民が日本に流入すると想定し、警察と自衛隊が合同で対処するシステムを整備したと知られる。
米日共同作戦計画5055の具体化
以後、日本政府は、1999年警察と自衛隊が参加する日本人撤収訓練を実施し、北朝鮮のミサイル威嚇が表面化した2003年には危機管理システムを再整備した。
日本政府の北朝鮮急変事態と関連した諸般の事項は、米・日の共同作戦計画である5055に具現されている。日本とアメリカ間には「5055計画」の外にも、旧ソ連からの侵攻を想定した「5051計画」(1984年作成)、中東有事の際の日本への影響などに備えた「5053計画」(1995年作成)等があるが、この前「5055計画」の改正でアメリカと日本は軍事力の一体化が加速されている。
保守性向の軍事専門家たちは、中国の膨張や北朝鮮急変事態に備え、東北アジアにおいての米軍事当局の大戦略は、駐韓米軍の再配置と駐日米軍の再配置を緊密に連結し、これを通じてNATO(NATO)型の「韓米日の3角同盟軍」を運用することだと結論を下している。
冷戦時代の対ソ集団防衛体制として出帆したNATOが、今も維持発展される理由は、NATOが一般的目的と特殊目的を並立させ、状況に適合に同盟が機能するようしたからだ。
韓・米・日の軍事力を一つのネットワークとして統合しなければ
だが、「韓米日の3角同盟軍」の運用は、今まで韓・日間の信頼構築の不備、集団的自衛権の行使を禁止する日本憲法の制約、韓・米・日の軍事体制一体化に警戒心を抱く中国やロシア、北朝鮮などの反発が障害物と看做されてきた。
これと関連して、匿名を要求した対北軍事専門家は、「米日同盟が再編され、統合司令部の方へ行くことを注目すべきだ」とし、「自衛隊の実体と地位は、駐日米軍と切り離せないもので、駐日米軍の戦力と自衛隊の戦力が一つになった姿が自衛隊の軍事力だ」と説明した。
彼は、引き続き「駐日米軍と自衛隊は、駐日米軍の再編を通じて連合戦力の効率性を高めている」、「韓国も韓米同盟の強化を通じて、駐日米軍の海・空軍・海兵隊戦力、自衛隊の海上戦力、韓国軍の地上軍戦力を一つのネットワークで結ぶ戦略的思考をすべきだ」と強調した。
[関連記事]米軍事当局が「概念計画5029の具体化」を提案
作戦計画5029の樹立を通じて韓国主導の統一が容易に
最近ワシントンで開かれた「第30次韓米軍事委員会」(MCM)で、アメリカ側が北朝鮮の「急変事態」に備えたより具体化された実行計画の樹立を韓国側に提案したことで後から分かった。
複数の報道によると、政府のある関係者は、10月29日、「米側はMCMで北朝鮮の急変事態に備えた概念計画5029を具体化することを提案したと聞いている」と明らかにした。
彼は、引き続き、「李相憙長官とロバート・ゲイツ米国国防長官は、翌日開かれた第40次韓米安保協議会(SCM)で、(MCM)会議結果の報告を受け、北朝鮮の急変事態に備えて、両国が緊密に協議してあらゆる偶発事態に備え緊密に協力することにした」と言及した。
李長官は、SCM会議後の記者会見で、「概念計画5029」を作戦計画に発展させる議論がなされているのかとの質問に、「韓・米両国は、安保に重大な影響を及ぼす懸案に徹底的に備えており、両国は対応計画を発展させていく」と明らかにしたことがある。
韓米軍当局は、2004年から△北朝鮮内の政変による騒擾事態や大量脱北、△洪水や地震など大規模の自然災害、△北朝鮮政権の核、生化学武器など大量殺傷武器(WMD)に対する統制力喪失など北朝鮮内の危急事態時の具体的な軍事対応策を含む「作戦計画5029」の樹立を議論してきた。
しかし、2005年1月、盧武鉉政権が「主権侵害の素地あり」として「作戦計画5029」に対する議論を一方的に中断させ、以後韓米軍当局は2006年12月、作戦計画の前段階として具体的な軍事力運用計画のない「概念計画(CONPLAN)5029」を補完・発展させることに合意した。
「作戦計画5029」は、北韓地域が大韓民国の未収復地域という概念を暗黙的に含んだ、すなわち憲法3条を尊重する作戦計画であり韓国に非常に有利な軍事作戦計画であると知られてきた。
したがって、「作戦計画5029」と関連して、盧武鉉政権が米国に提起した問題は、今後韓米両国の間でいくらでも調整が可能だというのが専門家たちの一般的な見解だ。
今まで軍内部では、戦時作戦統制権が2012年まで、現在の韓米両国の共同行事体制から韓国軍へ移管されるだけに、北朝鮮住民の大量脱北時の後方移送、災害時の人道的救護物資の支援任務などを国軍が主軸になって遂行する軍事的対策が必要だという指摘が提起され続けてきた
フリージョン・ニュース金泌材記者(spooner1@freezonenews.com)
|