古い文化と新しい文化を融合させる「ニュートロ」の延長線上で爆発した「ハルメニアル」(ハルモニ=おばあさん+ミレニアルの造語)が話題だ。伝統素材を現代風に再解釈したトレンドがファッション・グルメ・音楽に浸透。SNS文化と融合し、若者文化の潮流の1つとなっている。
韓国では「ニュートロ」(New+Retroの造語)と呼ばれるトレンドが続いている。ニュートロの基盤は2018年頃からで、ドラマ『ミスター・サンシャイン』がきっかけとなり、レトロな韓服や伝統建築を現代的にアレンジしたスタイルが広がった。現代的な要素とレトロな要素を融合させたスタイルがファッション、インテリア、グルメ、音楽などの分野で人気を維持している。
これらのトレンドは、ノスタルジアと健康志向、SNS映えを求める現代の価値観が融合した結果で、経済効果も生んでいる。
慶州の新しい顔 ファンニダンギル
KPOPグループNewJeansがY2K(2000年代風)を体現。コロナ禍後のノスタルジア需要が後押しし、26年現在も聖水洞や乙支路エリアのカフェで古い韓屋をリノベーションした空間がSNSで話題となっている。
古都・慶州でも過去と現在の融合が進む。特にファンニダンギルは「ニュートロ」の聖地とも言われ、レトロ感を残しつつ、現代のおしゃれにリノベーションした空間を楽しむ「ニュートロ街」となっている。最近では歴史を楽しむというよりインスタ映えする街歩きをメインの目的として訪れる人も多い。
ファッションではビンテージ服の現代シルエットアレンジ、チェック柄やベルベット素材が売れ筋。グルメでは伝統菓子「薬菓(ヤックァ)」のチョココーティング版やレトロ包装スナックの復刻がヒットしている。音楽では2026年にプロジェクト「Newtro」が過去曲を現代アレンジで再構築し、YouTubeで公開された事例もある。
ニュートロの進化形のハルメニアルブームに
さらにその進化形として「おばあちゃん世代の感性」を取り入れた「ハルメニアル」が特に注目を集めていて、MZ世代(ミレニアル+Z世代)を中心にライフスタイル全体に浸透している。
ハルメニアルはニュートロの延長線上で、より古い「おばあちゃんの味・感性」(黒ごま、よもぎ、インジョルミ、小豆など)を現代風に再解釈するトレンドだ。25年末から26年にかけ、特にファッションとグルメで爆発的に広がっている。
代表例は「キムジャン(キムチ漬け)ベスト」。花柄のキルティングベストで、伝統市場の数千ウォン商品がBLACKPINKのJennieやaespaのKarina着用でMZ世代にブームとなった。昨年11月頃から検索急増し、高額転売も発生した。
グルメでは薬菓が「ヤッケティング」(薬菓+チケット争奪戦)と呼ばれる行列現象を起こし、コンビニで薬菓クッキー、フィナンシェ、アイスクリームが大ヒット。黒ごまロールトックやよもぎ黄な粉餅ティラミスなどのフュージョンスイーツも人気で、CUなどのコンビニでは昨年春にハルメニアルデザート売上が前年比21・5%増を記録した。
日本のリノベーションは資源・文化の保存志向
このように韓国ではニュートロ・ハルメニアルは若者主導で急速にグローバル化し、KPOPやSNSが加速させる点が強い。一方、日本では「昭和レトロ」や「大正ロマン」が中高年層中心で根強いが、Z世代への浸透は韓国ほど速くない。
日本の事例としては京都の歴史的建造物をリノベーションしてカフェとして再利用するなどはあるが、観光資源化・伝統工芸の保存志向という側面が強い。
韓国のこれらのトレンドは単なるブームを超え、伝統と現代の橋渡しとして定着しており、今後両国間の文化クロスオーバーが期待される。
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