多くの人はお金持ちになりたいと思い、そのために努力する。だが、地球上の本当に裕福な人(富豪)はわずか1%程度にすぎない。一般的に「お金持ち」と言えるレベルまで含めても、せいぜい20%くらいだろう。なぜなのだろうか。現場で数多くの相談を受けてきた経験から、私が長年たどり着いた結論がある。
それは「生まれつきの限界」というものだ。人は生まれてから経済活動人口として活動するまでの成長過程の中で、自分の意志や努力とは関係なく、学び、経験し、習慣化され、固定化されてしまった「自己像」を誰しも形成している。この自己像の質的・量的差が、多くの人が富を追い求めながらも本当の意味で富豪になれない根本的な原因だと私は考えている。これを私は明確に「生まれつきの限界」と定義している。たとえば、親が貧乏だった人が本当に裕福になれるだろうか。
ここで私が言いたい「富豪」とは、お金持ちの「習慣」を持った人のことだ。裕福になれる良い習慣が、遺伝的であれ、生活様式であれ、学びであれ、習慣として固定化されたものであれ、誰しも生きていく中で蓄積されていく。逆に、貧乏にならざるを得ない要素が積み重なってしまうケースも非常に多い。こうした「裕福になれない悪い習慣」が固定化してしまった人が、意外とたくさんいるのだ。これはほぼ不可抗力といえる。生まれつきの限界は確かに存在するが、特別な自覚を通じてこれを克服した事例も数多くある。前のコラムでも触れたように、結局は「自分を知ること」が重要なのだ。自分のそうした部分を知らない、あるいは知っていても受け入れて変えていく挑戦する力が不足していると、結局は頑なに自分のやり方に固執し、富豪になれずに人生を終えるケースがほとんどだ。誠実さ、努力、忍耐、粘り強さ、情報、人脈、健康、学歴、知識、学閥、遺産……。
富豪になるための資源はたくさんある。だが、自分にこれらの資源がどれだけあるのかを見つけたり発見するのは、意外と簡単ではない。こうした要素が習慣としてしっかり固まっている人こそが富豪になる。結局、貧乏であることは「自分を知らない」ということと同義なのだ。自分を知らないことから生じる決定的な失敗とは、時代の流れやお金の流れを見逃し、間違った方向に膨大な集中・努力・忍耐を注ぎ込んでしまうことだ。そうしたケースも本当に多い。神様は誰でも富豪になれるように創造したが、実際にお金を手に入れ、富を享受し、世の中を益する人は世の中にそれほど多くない。また、お金がものすごく多いことだけを「富豪」と考えるのも間違いだ。感謝し、満足し、幸福を感じながら生きていれば、さまざまな資源を活用して物質的な豊かさやゆとり以上の「本当の富」を持って生きているとも言える。
いずれにせよ、私は「3億円」を富豪の基準金額として提案している。このくらいの金額なら誰でも十分に達成可能な富の規模だと考えているからだ。富の方程式でも述べたように、人間は誰でも100年という同じ時間を与えられ、それぞれ異なる精神的・肉体的・経済的な要素を持って富の競争をしている。誰にとっても最も重要な共通資産は「時間」。生まれた瞬間から無料で与えられているものだ。この時間という紙に、いかに良い富の要素を刺繍していけるかが、富豪になるかどうかを決める重要なポイントだ。怠け者が富豪になる確率と、勤勉な人が富豪になる確率を比べたら答えは明確だろう。あなたは勤勉だろうか。勤勉さは生まれつき持っていたか。勤勉さが習慣化されているだろうか。その勤勉さが時代の流れや方向性と合っているか。
こうした要素がすべて揃っている人は、今すでに富豪といえる。だからこそ、誰でも努力によってこれらを十分に作り変え、変化させることができる。私はだからこそ、誰でも富豪に導き、富豪に作り上げることができると信じているのだ。
●千周寧 世明投資戦略研究所代表。1963年韓国例川生まれ。大邱大学経済学科卒業。国立慶北大学MBA経営学修士。現代自動車全国販売王3連覇。四つの総合病院を経営。現在、三つの私募投資組合を保有。著書多数。 |