韓国政府は、半導体産業を米国と並ぶ世界2強に育成する。世界の半導体市場では人工知能(AI)の普及に伴い、急成長しているシステム半導体やパッケージングなどの分野における競争力確保が喫緊の課題となっている。このため、大統領直属機関を設置して推進を加速する。
財政経済部は9日、「2026年経済成長戦略」を発表。防衛、バイオ、美容や食品のほかゲームといった産業とともに、半導体の製造とファブレス(設計専門)の分野で世界2強に成長するため、大統領直属の「半導体産業競争力強化特別委員会」を構成し運営する。
同委員会は大統領を委員長として、26年第1四半期までに半導体産業の競争力を強化する基本計画を策定する。
半導体分野に4兆2000億ウォン(約4500億円)規模の国民成長ファンドを活用し、金融・人材・研究開発(R&D)の全分野にわたり全方位的な支援をしていく。
半導体産業の世界2強に向けては昨年12月、産業通商部が「AI時代の半導体産業戦略」を発表している。同戦略は、韓国半導体産業がメモリー半導体に強みを持つ一方、AI普及に伴って成長しているシステム半導体やパッケージングなどの分野での競争力確保が喫緊の課題となっていることから策定された。システム半導体の競争力強化、素材・部品・装置の各分野の海外依存の解消、優秀な人材確保などを実現する。
具体的には▽AIのほか次世代自動車、ロボットなどに対応した電力消費を抑えながら高速で稼働する半導体開発▽高い電力耐久性と効率性を持つ炭化ケイ素を素材とした半導体の開発▽生産能力向上に向けた企業への47年までの約700兆ウォン(約75兆2400億円)の設備投資支援▽輸入依存度の高い防衛用半導体の国産化に向けた研究開発とファウンドリー(半導体受託生産)の育成▽年間300人の専門人材輩出を目標とした半導体大学院大学の設立▽光州、釜山、亀尾を結ぶ地域に新たな半導体生産拠点基盤を整備など。
産業通商部の金正官長官は「半導体分野で主導権を確保することは、韓国産業にとって重要な課題となっている。強みである製造分野は全面的に支援し、世界トップの地位を維持する」とコメントしている。
米調査会社ガートナーの25年世界半導体売上高ランキングによると、米エヌビディアが首位で前年比63・9%増の1257億300万ドル(約19兆9000億円)。半導体企業として初の年間売上高1000億ドル超となった。2位はサムスン電子で725億4400万ドル(約11兆5000億円)。3位には前年比37・2%増の606億4000万ドル(約9兆6000億円)でSKハイニックスが、前年3位の米インテルを抜き躍進した。インテルはAI向け半導体市場で苦戦し、前年比3・9%減となった。上位10社のうち唯一の減収で、シェアは21年の半分程度の6%に下落している。 |