2026年の韓国の国内総生産(GDP)成長率予測を主要経済機関が発表した。各機関は1・8~2%と試算。政府の財政拡張によって成長率が押し上げられるとみている。人工知能(AI)、半導体産業の活況による投資の増加などが要因とみられるが、構造的な低成長局面にあるとされている。
各予測値は、韓国銀行1・8%、韓国開発研究院(KDI)1・8%、現代経済研究院1・9%、LG経済研究院2・0%となっている。
政府は歴代最大規模の728兆ウォン(約72兆8000億円)に達する予算を編成。前年比で8%以上の増加となる積極的財政投入を行う。
AI技術の発展に伴う半導体需要の急増が、韓国の輸出拡大を強力に後押ししている。具体的にはデータセンター、半導体工程施設、電力・通信インフラなどの大規模投資が、建設部門、設備部門の需要を支える。
一方で、韓国経済は構造的な低成長局面にあると評されている。経済協力開発機構(OECD)の推計では、韓国の実質GDPは20年から25年まで6年連続で潜在GDP成長率を下回ると予測される。
また成長率を達成するための財政拡大は、大規模な国債発行につながる。26年の国庫債の純発行規模は109兆4000億ウォン(約10兆9400億円)に達すると見込まれ、国の借金増加が懸念されている。これにより、信用等級の下落や市場金利の上昇、投資や成長の抑制といった悪循環に陥る可能性もある。
少子化、生産性鈍化、イノベーション停滞など、構造的な低成長局面にあるとされ、積極的な財政投入がなければ成長率はさらに低くなる可能性がある。高齢化の影響も懸念される。医療費がGDPに占める割合は増加傾向にあり、42年には現在の約2倍に拡大するとの見通しもある。
景気が悪化するという世論調査結果も出ている。リアルメーターが昨年12月29~30日、18歳以上の男女1025人に実施した「2026年景気展望国民認識調査」によると、今年の韓国経済について「現在よりも厳しくなるだろう」との回答が46・4%あった。これは「現在より良くなる」(33・8%)より12・6ポイント悪化し、悲観的な見方が多数となった。
年代別では50代は「良くなる」(45・8%)、「厳しくなる」(38・8%)で、楽観的な見方をする人の方が多かった。一方、18~29歳では「厳しくなる」(56・8%)、70歳以上は同55・3%で、ともに悲観的な見方が過半数となった。
他の調査でも同様の結果となった。韓国経済人協会が昨年末、市場調査会社モノリサーチに委託して売上高上位1000社のうち150社から回答を得た「2026年企業経営環境認識調査」によると、52・0%が「来年の経営環境は厳しい」と回答。その内訳は「非常に厳しい」18・0%、「やや厳しい」34・0%だった。一方で「良好」との回答は44・7%(「やや良好」41・3%、「非常に良好」3・4%)にとどまった。
同協会は「内需低迷と高為替長期化への懸念が、企業の悲観的な見通しにつながっている」とみている。 |