新韓金融持株会社の晋玉童会長=写真=が続投を決めた。これにより晋会長は、総資産783兆ウォン規模の「リーディングバンク」新韓金融を、2029年3月までさらに3年間率いることになる。
新韓金融の会長候補推薦委員会(推薦委)は4日、ソウル中区の本社で会議を開き、晋会長を次期代表理事会長候補として単独推薦した。来年3月の定時株主総会と取締役会で承認されれば、正式に再任が決まる。
実績が裏付けたリーダー シップ
推薦委は、続投理由として「経営能力と競争力の確保」を主な根拠に挙げた。候補委のクァク・スグン委員長は「会長として求められる洞察力・倫理性・業務専門性を兼ね備えており、在任中に顕著な成果を示したことで経営能力が十分に証明された」と評価した。
晋会長は、(1)財務指標を超えたデジタル競争力(AI・DX)の強化(2)バリューアッププロジェクトを通じた企業価値向上(3)内部統制文化の確立と堅実な経営基盤の強化など多方面で高く評価された。
この日、推薦委は晋玉童・会長内定者をはじめとする4人の候補を対象に個別面接を実施。クァク委員長は「70日間にわたる審議は公正かつ透明に進められ、委員会直属の事務局を新設することで独立した審査体制を整えた」と説明した。
「創業期の初心を取り戻 したい」
晋玉童体制1期目の新韓金融は、堅調な業績を維持している。
今年第3四半期までの累計純利益は4兆4609億ウォンと過去最高を記録。銀行・ノンバンクの安定的な収益に加えて、ベトナム・日本など海外事業の成長も好調だ。金融業界では「新韓金融の年間純利益が初めて5兆ウォン台を突破する可能性が高い」との見方も出ている。
積極的な株主還元方針も、晋会長の大きな成果とされる。新韓金融は27年までに「ROE10%」「株主還元率50%」「自社株5000万株の削減」というバリューアップ(新韓金融の企業価値向上)目標を掲げ、実行に移している。
1986年に新韓銀行へ入行した晋会長は、大阪支店長やSBJ銀行法人長などを歴任し、創業期を支えた在日韓国人株主から厚い信頼を得てきた人物だ。銀行長(2019年)、会長(23年~)を経て、40年にわたり現場で経験を積んできた「生粋の新韓マン」でもある。
面接を控えた晋会長は「新韓がさらに50年先へ進むために何が必要なのか、そして自分が果たすべき役割は何かを考えてきた。とりわけ、創業40年の原点となる『初心』をどう取り戻すかが最も重要だ」と意気込みを語った。
(ソウル=李民晧)
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