韓日国交正常化６０周年を迎えた今年は各地で記念行事が盛大に開催されたが、年末を前に幕を閉じつつある。民団恒例のマダンも各地で拡大して行われたが、民団秋田の「秋田まるごと韓国」で終幕。民団中央本部の行事も「ＴＨＥ　ＨＡＲＭＯＮＹ　６０ｔｈ」（１１月２６・２７日）をもって一区切りとなった。

中部・東北・近畿で盛況

　富山県日韓親善協会（成田光雄会長）主催、慶尚南道韓日親善協会（姜永浩会長）・在日本大韓民国民団富山県地方本部（鄭光燮団長）共催の「韓国フェスタ２０２５ｉｎ富山～つなぐ・ひらく・未来へ」が１１月１５日、富山市のグランドプラザで開催、約４０００人が訪れた。

　富山県日韓協は今年、創立５０周年を迎えた。今年の韓日国交正常化６０周年と節目が重なるかたちとなった。創立以来、親善協会同士で友好提携を結んでいる慶尚南道から芸術団が訪れステージ発表を行った。伝統音楽公演のほか、Ｋ－ＰＯＰやＫフードを会場で堪能することができた。

　民団山梨県本部（李正炯団長）は駐横浜大韓民国総領事館（南相圭総領事代理）と１１月１６日、山梨県甲府市の小瀬スポーツ公園内体育館北側スペースで「韓日文化交流２０２５～山梨コリア祭」を開催、約３０００人が会場を訪れた。
民間レベルの韓日草の根交流を目的とした同行事は今年で９回目の開催。韓国から招いたＫ－ＰＯＰアイドルのステージ発表、テコンドー演武、日本航空高校太鼓隊による和太鼓演奏など、盛り沢山の舞台公演が披露された。会場には、地元の在日同胞による様々なＫフードが販売され、山梨県に居ながら韓国を楽しめる１日となった。
李団長は、「イベントを通じて地域住民との韓日文化交流を深めるとともに、地域住民との共生・これからの地域貢献に努力したい」と主催者あいさつを述べた。来賓として祝辞を述べた浅川力三・山梨県議会議員は、「民団の日韓文化交流などに対する様々な活動に敬服している。このような活動は山梨県としても後押ししたい」とした。

　民団秋田県本部（高美淑団長）は１１月２４日、秋田市のアルヴェで「秋田まるごと韓国」を開き、会場に約３０００人が訪れた。韓日国交正常化６０周年を記念し、県内で韓国にルーツを持つ人々と地域の住民が交流を深める目的で初めて開催された。
Ｋ－ＰＯＰダンスのステージ発表、テコンドー演武、韓服試着コーナーなど文化体験のブースが充実していたほか、Ｋフード販売コーナーも充実していた。
高団長は主催者あいさつの中で、「韓国の伝統文化や食生活の魅力を秋田の皆さんに五感で触れてもらえるように準備した。存分に楽しんで欲しい」と述べた。

　民団中央本部（金利中団長）・日韓国交正常化６０周年を祝う会実行委員会（松浦晃一郎共同委員長）は１１月２６・２７日の２日間にわたり、グランキューブ大阪メインホールで「日韓国交正常化６０周年記念　ＴＨＥ　ＨＡＲＭＯＮＹ　６０ｔｈ」を開催、約３０００人が集まった。
初日の２６日、「日韓心の歌秋祭」と題し、韓日を代表する演歌・トロット歌手ら（韓国側からはソル・ウンド、チョン・ソジュ、キム・ヨンビン、ｓｉｓ／Ｔ。日本側から松崎しげる、歌心りえ、藤あや子）が登壇、会場を沸かせた。趙容弼の名曲「釜山港へ帰れ」を合唱する場面もあった。
２７日は「ＫＡＲＡ　Ｓｐｅｃｉａｌ　Ｌｉｖｅ～Ｗｅｌｃｏｍｅ　Ａｃｔ　Ｃｈａｙ」と題した特別ステージが組まれた。日本のＫ－ＰＯＰブームの火付け役だった韓国のガールズグループＫＡＲＡが登壇、日本からはＣｈａｙが出演した。ＫＡＲＡは関西弁でファンサービスを行い、会場を盛り上げた。
当日の行事には、民団中央本部の金団長、ユネスコ事務局長を務めた松浦共同委員長のほか、安倍晋三元首相夫人の安倍昭恵さんなど日本の著名人も多数出席。さらに石破茂前首相、岸田文雄元首相や朱豪英・韓日議員連盟会長らが映像メッセージを寄せ、韓日両国の協力発展を祈念した。
松浦共同委員長は主催者あいさつの中で、韓日国交正常化６０周年を振り返り、１９６５年当時の国交樹立の所感、７５年にはじめて韓国を訪問した際の思い出などを語った。
韓日国交正常化６０周年を祝う記念行事は今年、各地で多彩に展開された。政治に影響されない民間交流の地盤が両国に強固に根づく事実は、特筆に値する。

（上）１１月２４日、「秋田まるごと韓国」の開会式であいさつする高美淑・在日本大韓民国民団秋田県地方本部団長。約３０００人が会場を訪れイベントを楽しんだ（写真＝秋田県地方本部）

１１月２７日、松浦晃一郎・日韓国交正常化６０周年を祝う会実行委員会共同委員長があいさつを行う