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最終更新日: 2025-11-26 09:45:10
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2025年11月26日 09:34
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時代を導く「指導者 李承晩」 (第9話)
金正珉 財団法人李承晩大統領記念財団責任研究員

臨時政府初代大統領・李承晩 民族最高指導者へ

 1919年は、韓国独立運動史上きわめて重要な年だった。国内外で相次いで発生した独立運動が国際的注目を集め、民族指導者たちは各地で臨時政府を樹立した。軍事組織ではなく政府組織を立ち上げたのは、軍事力が乏しい状況下で外交的手段により国際社会から国家承認を得るためだった。このため、臨時政府の最高指導者には国際感覚と外交力を兼ね備えた人物が必要とされた。
民族指導者たちは韓国独立の先頭に立つ人物として迷いなく李承晩を推した。上海で組織された臨時政府は李承晩を国務総理に選出し、全国13道の代表が国民大会を経て組織した漢城臨時政府は彼を執政官総裁として推戴した。9月には複数の臨時政府を統合した上海臨時政府の初代大統領に選ばれ、名実ともに民族最高指導者として台頭した。
李承晩は、韓国の英文国号「Republic of Korea」を初めて使用し、米国や英国など列強の首脳に公文書を送った。臨時政府樹立を公表し、韓国を独立国家として承認するよう正式に要請したのである。6月18日には日本の天皇にも丁重な書簡を送った。
〈書簡内容〉
「我々が陛下に求めるところは、韓国を固有の独立した主権国家として公式に認め、これに反するすべての条約が無効であることを認めることであります。過去の異見と紛争がいまや調整され、除去され、両国の恒久的平和と善意という新たな時代を切り開くことを願います。そのような友好関係が実現するよう、この書簡を陛下に捧げます」
日本の天皇から返答はなかったが、李承晩の外交努力は続いた。統合された臨時政府は上海で成立したものの、李承晩は国際社会に向けた外交活動を加速させるため、米国を基地とした。彼は世界外交の中心地ワシントンD.C.に「欧米委員部」を設置し、独立外交を活発に展開した。
欧米委員部は、主権を有する国家間の正常な外交を行う外交機関ではなかった。植民地期に主権を失った民族が、独立を目指して暫定的に運営した特殊な形態の外交機関である。李承晩は外交を直接指揮する行動力のある指導者だった。委員部設置条項には、臨時政府所在地の上海ではなく委員部所在地で直接滞在・指揮できる旨の但し書きが付されていた。
委員部設置場所の選定にあたっても国際感覚を発揮した。李承晩は各国大使館に近く、米国の官公庁、交通、通信施設が集中する場所に事務所を構えた。独立外交の移動と連絡を容易にするためだった。周辺には米国および各国メディアの支局も設置されており、国際世論を迅速に把握し外交活動に活用することができた。
委員部の人的構成も、独立外交の目的に合わせて李承晩自身が直接任命した。委員長には金奎植を据え、宋憲澍、李大爲を委員に任命した。いずれも国際的に独立運動を展開した経験を持つ人物だった。地域的代表性を考慮した構成でもあった。李大爲は米国本土とメキシコに居住する在米同胞を、宋憲澍はハワイの韓人社会を、金奎植は遠東地域の韓人を代表した。
こうした構成は、海外在住韓国人の独立力量を結集しようとした李承晩の戦略だった。3人の委員を中心に欧米委員部は管轄地域を北米西部、北米東部、ハワイ、メキシコの4区に分け、米国本土に25カ所、ハワイに11カ所、メキシコとキューバに6カ所の地方委員部を設けて運営した。広範な組織を欧米委員部が管理することで、独立の意志と正当性を盛り込んだ委員部の公式メッセージを国際社会へより広く、迅速に発信することが可能になった。
欧米委員部は発足と同時に独立外交を開始した。19年8月、「韓国民族の持続的独立宣言および独立要求文」に署名し、米国政界、パリ講和会議関係者、世界の言論界へ大量に発送した。李承晩はこの文書を通じ、国際社会に韓国独立の正当性を宣言し、支持を訴えた。大韓民国臨時政府大統領・李承晩は、形式と手続きを整え国際社会の承認を得ようと努めた。それは「主権なき民族の外交」という制約の中で展開した民族指導者の奮闘であった。

大韓民国臨時政府大統領・李承晩肖像(1920年)

2025-11-26 3面
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