韓国経済は半導体産業の好調に支えられ、明るい兆しを見せている。韓国貿易産業省のデータによると、10月の輸出額は595億ドルを超え、過去最高を更新した▼秋夕連休による生産日数の減少を考慮しても、前年比3・6%増と堅調だ。KOSPI指数は4000ポイントを突破。11月3日には4200ポイントを上回るなど、株式市場も記録を更新した。10日現在も4000台を維持している▼好材料の原動力は、半導体産業のスーパーサイクルだ。半導体の好調は、経済全体に波及効果を生んでいる。韓国国家統計庁の報告書では、9月の産業生産指数が前月比1・0%上昇。主な要因は半導体生産の19・6%急増にある。半導体関連の設備投資が活発化し、建設投資も大幅に拡大。第3四半期のGDP成長率は1・2%を達成し、通年1%成長の見通しを強固にした▼この半導体ブームの背景には、AI市場の急速な拡大がある。自動運転やロボット分野での需要が急増、高帯域幅メモリ(HBM)の需要が供給を上回るボトルネックが発生しており、好調は長期化する見込みだ▼一方、世界情勢は激しく変動しており、こうした好機を慎重に捉える必要がある。米中貿易摩擦の再燃や、米大統領選後の政策不透明感がグローバルサプライチェーンを揺るがしている。韓米経済関係では、関税措置の見直しが懸念材料だ。こうした外部リスクが、韓国経済の回復を阻害する恐れがある。世界の激動と韓米関税問題の不確実性を前に、官民一体となった取り組みが必要だろう。 |