先週は国際秩序の軸が西欧から露・中・印など非西欧大国に移動していることが見られる週だった。グローバルサウスは、上海協力機構(SCO)首脳会議、中国の戦勝節80周年行事、第10次東方経済フォーラム(3~6日ウラジオストク)を通じて団結した力と未来の希望を誇示した。特にロシアと中国の「シベリアの力2」ガス協定は、G7とNATOが持っていた国際権力が、BRICSとSCOに移動するのを西欧が阻止できないことを示した。
ワシントンは、今回の首脳会同に危機感を感じる。だが、この構図はトランプ大統領の関税戦争がもたらしたものだ。西欧はウクライナ戦争での軍事的敗北に続き、ロシアに対する制裁が徒労に帰し、ロシアと中国が主導する世界権力の移動という現実に直面するようになった。
プーチン大統領と習近平主席の首脳会談(2日)で「シベリアの力2」ガス協定など22の合意文が署名されたのは、米国とEUの戦略が決定的に破綻したことを意味する。西欧はまだ中・露が締結した「シベリアの力2」ガス協定で供給価格が最終合意されていないと指摘するが、これは西欧がまだ根強い人種的偏見と傲慢から目覚めていないことにすぎない。
習近平国家主席は1日、天津で開かれたSCO第25次首脳会議の演説で「正しい第2次大戦の歴史観を発揚し、冷戦的思考方式と陣営対決、嫌がらせ行動に反対せねばならない」とし、米国を迂回して批判した。ロシアと中国は巨大な力を持つ国家だ。実際に、第二次世界大戦で連合国側が勝利できたのは、ソ連と中国の莫大な犠牲と奮戦によるものであることが歴史的真実だ。
習近平主席はまた、「SCO開発銀行を早急に作り、加盟国の安保と経済協力にさらに力強い支持を提供する」と述べた。また「国連を核とする国際システムとWTO(世界貿易機関)を核とする多国間貿易体制を守護し、平等で秩序のある世界多極化と普遍的に有利な経済グローバル化で、より公正で合理的なグローバルガバナンス構築を推進しなければならない」と主張した。SCOは世界人口の半分に近い35億人を抱擁している。
プーチン大統領は、完全なエネルギー地政学のプレイのためのユーラシアトロイカ体制を構築した。プーチン大統領は、ウラジオストクの極東連邦大学キャンパスで開かれた第10回東方経済フォーラム(3~6日)での演説を通じ「ロシアは開放的であり、誰にも孤立せず国家という殻に閉じ込められない」と述べた。また「現代の世界は、技術の発展を通じて深く相互接続されている」とし、「国家の殻」に閉じ込められて孤立することは競争力を弱め、有害だけでなく逆効果を出すと強調した。
79カ国から6500人が参加した今回のフォーラムのテーマは「極東の平和と繁栄のための協力」で110を超える行事があったが、最大の話題は断然、北極航路だった。韓国は2015年から大統領、国務総理、副首相、長官など最高位の政府人士が代表として参加したが、ウクライナ戦争後は、現地公関係者が参加、今年は駐ウラジオストク総領事が参加した。浦項市は今年のフォーラムに参加、北極航路開拓による迎日湾港の対応戦略とクルーズ産業活性化を模索した。 |