韓流自分史プロデューサーの野田智代さんは18日、「第12回のだっちセミナー」企画として、電子書籍『八田靖史の韓食生活BOOK』の出版を記念したトークイベントを開催、50人が視聴した(「後から配信」希望者を含む)。
コリアン・フードコラムニストとして各方面で活躍する八田さんだが、今回の著書では”水原カルビ”の魅力を伝える。水原カルビはボリューミーな肉料理として知られるが、「カルビ」の原義は「肋骨」。味付けは、水原では醤油を使わない”塩ダレ”となっている。骨のギリギリまで味が染み込んでおり、深いうまみが楽しめるのが特徴。
八田さんは、水原カルビの来歴について、ドラマ『イ・サン(李祘)』で有名な朝鮮王朝時代の正祖大王(1752~1800年。1776年から没年まで在位)の時代に遡る。不遇の死を遂げた父、思悼世子の陵墓を訪れるために水原華城を築城、一帯の市場などが活性化し、牛の流通が盛んになったことや、滋養をつける料理として活用されたことが背景にあると解説した。
「水原の兄貴」と八田さんが慕う現地の関係者によると、「カルビだけを食べるのではなく、牛を丸ごと。地域の文化まで丸々飲み込んで味わうのでなくてはいけない」との金言を紹介。地域の特性・歴史・エンタメなど、韓国文化にディープな理解を誇る八田さんならではの著書について自ら語った。
なお、八田さんと野田さんは夫婦であり、今回のトークイベントで初めての共演を果たした。2人の息のあった掛け合いは絶妙、語り手と編集者という韓国ドラマさながらの設定で視聴者を楽しませた。
八田靖史さんによると、水原カルビは(1)牛肉が大きい(2)味付けは塩ダレ(3)〆のテンジャンチゲには牛骨が入っている―のが特徴 |