韓国の人気絵本作家、ペク・ヒナの作品を、日本の東映アニメーションが短編アニメ映画として製作した『あめだま』が、映画の祭典「第97回アカデミー賞」の短編アニメーション部門にノミネートされた。3日にロサンゼルスで開かれた授賞式で受賞は逃したものの、韓日の映画関係者から大きな注目を集めた。
同作品は、コミュニケーションが苦手で、ひとりでビー玉遊びをしている少年ドンドンが、人の心の声が聞こえるようになる不思議な『あめだま』を通じて他人の気持ちを知り、自分の気持ちを伝えることができるよう成長する姿を描いた。監督は西尾大介。
9日には都内で関係者による舞台あいさつが行われ、登壇した原作者のペク・ヒナは「素晴らしい作品が完成し、米アカデミー賞にノミネートされるなど、すべての過程が魔法のようだった」としている。
ペク・ヒナは1971年ソウル生まれ。梨花女子大学卒業後、カリフォルニア芸術大学でアニメーション制作を学ぶ。2004年のデビュー作『ふわふわくもパン』でボローニャ国際児童図書展「フィクション部門 今年の作家」に選ばれた。児童文学界のノーベル賞とされるアストリッド・リンドグレーン賞を20年に受賞している。世界が認める児童文学作家として現在も精力的に活動中。
ペク・ヒナ原作の絵本を東映アニメーションが短編アニメ映画化©Baek Heena, Toei Animation |