6月3日に迫った韓国大統領選挙は、「共に民主党」の李在明候補がこれまでリードを保ってきたが、保守陣営である与党「国民の力」の金文洙候補の追い上げが顕著になってきた。保守層の結集により、選挙戦は接戦となる可能性が高まっている▼懸念されるのが、尹錫悦前大統領が提起していた「不正選挙疑惑」問題だ。尹氏は昨年12月、非常戒厳令を宣言したが、これは自身の政治生命をかけて「不正選挙」問題を提起したものだった▼驚くべきことに、今回の選挙戦ではこの問題がほとんど議論されていない。選挙管理委員会は「不正選挙は事実上不可能」と否定。偽造投票用紙、数値上起こりえない事前投票データなど、これまで多くの疑惑が提起されてきたが、今回も完全に黙殺、検証の姿勢を見せていない。国民3人に1人以上が「選挙に不正があった」との疑惑を支持しているにも関わらずだ▼不正選挙への対策が不十分であれば、選挙結果に対する信頼性が揺らぎ、混乱を招くだろう。選挙の透明性は民主主義の基盤であり、対策の有無が結果を大きく左右する。公正な選挙を確保するには、独立した調査が不可欠だ。サーバーのセキュリティ検証、投票データの透明性確保、第三者機関の監査が最低限、必要である。だが、今回の大統領選挙は準備期間が短く対応は難しいということも事実だ▼現在の状況で有権者にできることは、不正リスクが大きい事前投票ではなく、6月3日の当日に投票をすることだ。今回の選挙は韓国の運命を左右する。 |