韓国大統領選挙が6日後に迫ってきた。非常に短い選挙運動期間に現れた「金文洙突風」が逆転につながるかは分からない。選挙法により最後の1週間は世論調査結果の発表が禁止される。金文洙候補は勝敗と関係なく驚くほど善戦すると予想される。金文洙の出馬は長い間、暗鬱な政治に失望してきた国民に希望と期待を持たせた。それによって今回の大統領選挙は当初、誰も予想できなかった特別な選挙となった。政治と政治家に対する国民の期待や基準が短期間で変わった。人気のない「国民の力」党の大統領候補に選出された金文洙は3週間で「国民の候補」になる、途方もない反転を記録した。この状況と経験は韓国政治にとって良い遺産になるだろう。
停滞し腐敗した政治に選挙が活力と変化をもたらすことができれば良いことだ。
自党の大統領を弾劾に追いこみ、早期大統領選挙を行うことになった「国民の力」は今回の選挙で勝算がほとんどなかった。敗北主義に陥った臆病者の集団は、手段方法を選ばない凶暴な李在明党に立ち向かえなかった。だが、金文洙が大統領選挙に飛び込んですべての状況が変わった。
党内基盤がほとんどなかった金文洙が競争者を破って「国民の力」党公式候補に選出されたが、「国民の力」の党指導部は、正式候補を引き下ろし韓悳洙前首相を擁立するクーデターを起こした。このクーデターのとき金文洙を支持した国会議員らはほとんどいなかったが、金文洙は原則を貫き党指導部と対決した。全国の一般党員が金文洙を支持、党指導部のクーデターを粉砕した。
選挙運動が始まっても、党組織は動かず、選挙資金もきちんと供給しなかった。金文洙は正面突破した。SNSなどで金文洙の人間性と能力が知られ、世論が急速に変化し始めた。国民が金文洙を支持し始めた。金文洙は「国民の力」候補から「国民の候補」になった。
金文洙候補は一切の既得権を放棄、否定する政治改革公約を発表(22日)した。
国会議員整数10%削減、国会議員不逮捕及び免責特権廃止、国会議員の国民召喚制、弾劾要件の強化及び憲裁が弾劾認容までずっと職務遂行、裁判内容を理由に裁判所弾劾禁止、大統領の公共機関の天下り人事禁止、大統領と国会議員の任期一致のため大統領任期を短縮、公捜処廃止、司法妨害罪新設、選管委監視機構の設置及び委員長の裁判官兼職禁止、外国人参政権の相互主義原則施行などなど。金文洙候補は、操作された世論調査と偽のニュースについて警告した。国民の支持を受けるしかない。
金文洙候補を大統領選挙の相手として想定もしなかった李在明側はパニック状態だ。李在明の公約は基本的にポピュリズムだ。李在明は習慣的に嘘をつく。心理専門家らは、李在明は自ら嘘をついているという意識自体がない状態だと診断する。李は釜山で選挙遊説し再び虚偽事実公表で告発された。
金文洙は家族全員が国民の前に出た。防弾服と防弾ガラスの後ろに立った李在明は家族を隠した。金文洙候補はテレビ討論で李在明の人間性を攻撃した。指導者は徳性と清廉さを備えなければならない。今後誰が大統領候補に出ても金文洙と比較されるはずだ。金文洙は選挙に出る政治家たちの新しい基準となった。
反李在明連帯が拡大している。朴槿惠と尹錫悦前大統領が金文洙を支持した。新しい未来民主党(李洛淵、15万人)が金文洙支持を宣言。「国民の力」と協力宣言した。全羅道で金文洙支持率が上がる。元大法官など1004人が27日、記者会見を通じて金文洙支持を宣言した。韓国労総、全国建設機械一般労働組合、市民団体連合も金文洙支持を宣言した。伝統的に左派候補を支持してきた民労総が選挙中立を宣言した。
中央選管委は今回の大統領選挙投票と開票事務員と投票管理官26万人余りを全員韓国国籍者にすることにしたと発表した。選挙期間がもう少し与えられれば金文洙の楽勝だが。
|