弾劾内乱の決戦である大統領選挙(6月3日)を前に、内外の最大関心は、この内乱・「李在明の乱」の主役である李在明が果たして大統領選挙に立候補資格があるかに向けられている。それは、李が選挙法違反裁判で有罪が確定すれば出馬資格がなくなるからだ。ところが、大法院が、李在明の選挙法違反上告審を5月1日に宣告すると発表(29日)した。大統領選挙候補登録の前に李在明の候補資格問題の決着をつけたいとの曺喜大大法院長の意志だが、無罪確定、破棄差し戻し、破棄自判のどの宣告が下されるか全く推測できない。常識的判断と判例では有罪だが、韓国の政治状況は、常識を許さない。
大法院全員合議体は5月1日午後3時、民主党大統領候補の李在明の公職選挙法違反事件の宣告公判を開く。異例中の異例の措置だ。この事件が3月28日、大法院に受け付けられてから34日ぶりだ。李在明は1審で懲役1年と執行猶予2年、2審は無罪を宣告された。李在明は裁判遅延を図ったが、法院の執行官が議員事務室を訪問、検察の上告理由書を伝達するや4月21日まで回答書を提出せざるを得なかった。
大法院は翌日の先週22日、大法院の2部に事件を配当したが、曺喜大大法院長が直ちに全員合議体にして回付、当日(22日)の午後、審理を始めた。続いて24日も二度目の審理を行った。大法院全員合意体に回付されてから9日後、結論を出すわけだ。
選挙法違反裁判であるため、選管委員長の盧泰嶽大法官が自ら回避、裁判に参加せず、12人の大法官が評決する。ただ、上告審でどのような宣告が下されても、憲裁の尹大統領の罷免決定と同様に国民の多数が承服しにくい雰囲気だ。
司法府が権威と信頼を完全に失ったからだ。司法府が権威と信頼を失い、法治が崩れたのは、司法府自身の責任だ。何より日常化した裁判遅延と判事によって判決が変わるからだ。
李在明党の朴智元が既に大法院の判決は無罪が出ると言い放った。大法院の評決が始まる前に言った。大法院は彼らを軽んじた朴智元に対して何らかの措置や反応を見せず黙っている。ところが、李在明側に内通した大法官の名前が言われている。法院行政処長の千大燁と盧泰嶽が疑われている。両人とも骨の髄まで左派だ。お金をもらい李在明のため大法院判決を無罪にした権純一はまだ処罰されていない。誰が法院の判断を信じるだろうか。
「民主化」と美化された「1987年体制」が崩れるのも結局、法治が崩れたからだ。事実、「3権分立」制度において最も脆弱な部分は司法府であるしかない。司法府は基本的に独立した裁判官(個人)で構成されるためだ。個人を攻撃・攻略するのは、巨大組織を攻撃するより容易で簡単だ。さらに、この脆弱性を突き、司法府を堕落させたのが、法院内の私組織、社会主義改革を目指す「ウリ法研究会」だ。要するに司法府が大韓民国の不確実性の根源、自由民主の共和制の敵となったのが現実だ。
旧与党の「国民の力」は弾劾審判の余震が続いている。5月3日開かれる全党大会で、弾劾に反対した金文洙と弾劾を主導した韓東勳が3次予選を通じて大統領候補を確定する。ただ、勝者はまた韓悳洙大統領権限代行との一本化の関門が残っている。韓悳洙代行は2日、出馬宣言予定だ。
韓悳洙総理は29日、大統領権限代行として、憲法裁判官を任命することを制限する憲裁法改正案に対して拒否権を行使した。李在明側はシャドウ内閣を構成したという。親中の社会主義政権や中国式モデルを主張する者が集まっているという。李在明党は選挙を控え、国会で「地域通貨1兆ウォン」の修正予算案を国民の力が退場の中、単独議決した。
憲裁と公捜処と警察の反乱は続いている。警察は特殊公務執行妨害を理由に大統領官邸と警護処を押収捜索。文在寅元大統領も24日、賄賂罪で在宅起訴された。検察は内乱罪で刑事裁判を受けている尹前大統領夫妻の私邸を30日、家宅捜索した。私邸は刑事訴訟法上、軍事・職務上の秘密を要する場所ではない。弾劾内乱は無制限の混戦状態だ。
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