1週間続いた慶尚道の山火事は、当初の想定を超える大災害となった。面積にして韓国国土の0・5%、ソウル市にたとえると約80%を焼失し、被災者の数も過去最多を記録した。山火事の原因は人災だったとされるが、議会で災害用基金まで削減した野党・共に民主党に非難の矛先が向けられている。山火事や洪水といった災害に備えるための政府予備費を前年比で半減した責任は大きい。
(ソウル=李民晧)
中央災害安全対策本部によると、今回の山火事で30人が死亡し、45人が負傷した(3月30日13時現在)。
今回の山火事による被害規模は現在までに4万8239ヘクタールと見られ、再燃している地域もあることを踏まえると、被害は今後さらに拡大する見通しだ。これは、ソウル市の8割を超える面積に相当する。また、家屋や工場、文化財などの施設5098カ所が焼失し、被災者は約4万人に上っている。
3月22日、慶尚北道義城で、ある入山者による火の不始末から起こった今回の山火事は、11の自治体に被害が及ぶ超大規模な山火事へと発展した。乾燥した気候と強風の影響もさることながら、温暖化の進行で山火事が多発する傾向にありつつも備えを怠っていたのも被害が拡大した原因の一つだ。
山火事の「通年化」も予算50%削減した野党
直近3年間における年間の平均山火事発生日数は204日だ。つまり、もはや山火事は季節を問わず発生する傾向にあり、常に大規模な山火事が起こるリスクをはらんでいる。気候変動による山火事危険指数は、気温が1・5度以上上昇すると8・6%、2・0度上昇すると13・5%増加することが予測された。今回の山火事も例年より高い気温が影響し大規模な災害へと発展したものとみられている。
韓国の消防システムは後進的だ。今回の消火活動中に墜落したヘリコプターは30年前の老朽化した機種で、パイロットは73歳。これは、装備と人材の老朽化を端的に示している。山火事の消火に欠かせないのがヘリコプターだが、稼働したヘリコプターのほとんどが水の積載量1000~2000リットル程度の小型機だった。山林庁が所有する50機のヘリコプターのうち、8トンの積載量を持つ大型ヘリコプターは7機のみ。山火事の消火隊員として動員された者も多くが60代以上の高齢者だった。
こうした装備や人材の状況は、早期の消火に至らなかった理由として挙げられる。消防設備や人材の拡充には政府の予算が必須となるが、野党の「共に民主党」は災害対策に必要な予備費の拡充に反対の姿勢を示している。行政安全部と山林庁の災害対策費は4600億ウォンだが、今回の山火事が過去最大規模であることを踏まえると、予算が不足していることは明らかだ。
より根本的な問題として、昨年末に憲政史上初となる減額予算を強引に可決させた共に民主党の責を問わざるを得ない。野党が国会で決議した政府予備費は2兆4000億ウォンで、前年の4兆8000億ウォンから半減している。
 | | 山林庁ヘリコプターのうち、積載量の大きいヘリコプターは7機のみ |