盧武鉉、朴槿惠大統領への弾劾裁判の例から、尹錫悦大統領に対する弾劾判決は当初、14日前後には下されると予想されていた。だが、判決に至る過程で異例の事態が続き遅れている。今週中には日程が決まると言われているが、それも確定ではない▼弾劾裁判にかけられていたのは尹大統領だけではない。13日には崔載海監査院長と3人の検事の弾劾裁判の判決が宣告された。監査院は国家機関の会計や職務を監査する独立機関。野党は監査院長が大統領公邸の移転などに関する監査を適正に実施しなかったとして国会で弾劾訴追案を可決した。また、ソウル中央地検トップの李昌洙検事長ら検事3人は尹氏の夫人の株価操作事件の捜査を尽くさなかったとして弾劾訴追されていた▼いずれも裁判官8人の全員一致で棄却され、4人は即時、職務に復帰した。尹政権は発足以降、国会で多数を握る野党「共に民主党」が弾劾をカードに政権を圧迫する例が目立っている。共に民主党は尹大統領釈放をめぐって沈雨廷検察総長に対しても弾劾案提出を明言した。共に民主党が沈雨廷総長の弾劾案を提出すれば、尹錫悦政権発足後30回目となる。尹政権発足以前、提出された弾劾案は21件に過ぎない▼この数字を見るだけで、現在の韓国政局の異常さが分かるだろう。共に民主党は李在明代表を守るため条件を満たさない弾劾案をごり押しし、数々の立法暴走で国政をマヒさせてきた。これこそ国会で多数の力を前面に出し合法を装った内乱行為ではとの声が多い。 |